【梅雨・夏でも集中力キープ!】暑さと湿気に負けずに勉強に集中するコツ
1. 梅雨・夏に集中力が落ちやすい理由を知ろう
梅雨や真夏になると、「なんだか頭がぼんやりする」「机には向かうけど、集中が続かない」と感じる人が一気に増えます。サボっているわけでも、気合いが足りないわけでもなく、これは体や脳の反応としてごく自然なものです。
まずは、なぜこの季節に集中力が落ちやすいのかを知っておくと、「自分はダメだ」と責める気持ちが減り、対策もしやすくなります。
1-1. 暑さと湿気が脳に与える影響
人間の体は、暑い環境にいると体温を下げようとしてたくさん汗をかきます。そのとき、体は「体温を下げること」を優先するので、どうしても頭にまわるエネルギーが少なくなり、ぼーっとしたり眠くなったりしやすくなります。
さらに、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体の熱が逃げにくくなります。「気温はそれほど高くないのに、ムシムシしてつらい…」という梅雨の日にだるくなるのは、このせいです。
こうした状態が続くと、
- 頭痛や肩こりが出やすくなる
- なんとなくやる気が出ない
- イライラしやすくなる
といった変化が起こりやすくなります。どれも集中力にはマイナスなので、「季節によるハンデ」を少しでも減らしてあげる工夫が必要です。
1-2. 「だるさ」「やる気が出ない」の正体
梅雨や夏に感じる「だるさ」「やる気のなさ」は、多くの場合、
- 睡眠の質が下がっている
- 軽い脱水ぎみになっている
- 冷房と外気温の差で自律神経が疲れている
といった理由が重なって起こります。つまり、「やる気の問題」に見えて、実はかなりの部分が「体調の問題」でもあるということです。
ここからは、そんな季節でも集中しやすいように、「環境」「体調」「勉強のやり方」「メンタル」の4つの面からできる工夫を具体的に見ていきましょう。
2. 勉強環境を整えて集中しやすくするコツ
まずは、いちばん手をつけやすい「勉強する環境」から整えていきます。部屋の温度や湿度、机まわりを少し変えるだけでも、集中のしやすさが大きく変わります。
2-1. エアコン・扇風機・窓の上手な使い分け
エアコンをつけると集中しやすくなる一方、「冷えすぎて逆にだるい」ということもあります。おすすめは、次のような使い方です。
- 設定温度は「涼しいけど少し動くと汗ばむ」くらい(目安として26〜28度前後)
- 扇風機やサーキュレーターで、冷気を部屋全体に回す
- 足元だけ冷えすぎないように、ひざ掛けや靴下で調整する
- 湿度が高い日は「除湿モード」を活用する
ずっと同じ姿勢でいると体も冷えやすいので、1時間に1回くらいは立ち上がって伸びをしたり、軽く歩いたりして血行をよくしてあげると、頭もスッキリしやすくなります。
2-2. 机まわりをスッキリさせる小さな工夫
湿気の多い季節は、プリントやノートもベタッとしやすく、机の上がごちゃつくとそれだけで気分が重くなります。集中しやすい机にするためのポイントは次の通りです。
- 机の上には「今やる科目のテキスト・ノート・問題集」だけを出す
- 使わないもの(スマホ、ゲーム機、別の科目のテキスト)は手の届かない場所へ
- ペン立てには、よく使うペンを数本だけに絞る
- 汗でくっついたりしないように、手元用のタオルやハンカチを置いておく
「勉強しよう」と思ったときに、机の上がきれいだと、そのままスッと勉強に入りやすくなります。逆に、片づけから始めないといけない状態だと、その時点でやる気が削られてしまいます。1日の終わりに1分だけ「明日のための片づけタイム」を作るのもおすすめです。
3. 体調管理で「集中しやすい身体」をつくる
どれだけいい環境を作っても、体がしんどいと集中は続きません。梅雨・夏ならではの「体調の落とし穴」を避けて、勉強に集中しやすい身体を作っていきましょう。
3-1. 水分・塩分・カフェインとの上手な付き合い方
夏場は、少し家の中で勉強しているだけでも、思っている以上に汗をかいています。軽い脱水状態になるだけでも、頭痛やぼんやり感が出やすくなるので、こまめな水分補給はとても大切です。
- のどが渇く前に、30〜60分にコップ半分〜1杯を目安に飲む
- 水や麦茶など、砂糖の少ない飲み物をメインにする
- 大量に汗をかいた日は、スポーツドリンクを「水で少し薄めて」飲むのもあり
塩分は、ふだんの食事をきちんととっていれば、特別にタブレットを大量にとる必要はありません。運動部で長時間外にいる日など、「今日は本当に汗をかいた」という日にだけ、塩分入りの飴やタブレットを活用するくらいで十分です。
眠気対策としてコーヒーやエナジードリンクを飲む人もいますが、飲みすぎると夜の睡眠の質が落ちて、かえって翌日がしんどくなることもあります。夕方以降は量を控えめにし、「ここぞ」という時間帯だけに使うようにしましょう。
3-2. 睡眠・食事・軽い運動でパフォーマンスアップ
暑い夜は寝苦しくて、どうしても睡眠時間が削られがちです。しかし、勉強した内容をしっかり覚えるには、十分な睡眠が欠かせません。できれば毎日6〜8時間の睡眠を目安にし、夜更かししすぎないようにしましょう。
- 寝る1時間前には、スマホやゲームをやめて、目と頭を休める
- エアコンは「つけっぱなし」が苦手な人は、タイマーを上手に使う
- どうしても眠い日は、15〜20分だけの短い昼寝を取り入れる
食事は、「冷たいものばかり」「パンとお菓子だけ」などに偏らないように意識しましょう。ごはんやパンなどの主食に加えて、肉・魚・豆製品などのたんぱく質、野菜や果物を組み合わせると、長時間集中するときのエネルギーが安定します。
また、1日5〜10分でもいいので、ストレッチや軽い筋トレ、散歩などで体を動かすと、血の巡りがよくなり、気分転換にもなります。「勉強の前にラジオ体操を1回やる」「科目を変える前に立ち上がって背伸びをする」といった小さな習慣でも効果があります。
4. 勉強のやり方を季節に合わせて変える
同じ勉強内容でも、やる時間帯や進め方を少し変えるだけで、集中のしやすさが変わります。梅雨・夏ならではの「時間の使い方」を工夫してみましょう。
4-1. 集中しやすい時間帯を味方にする
多くの人は、気温が低く、静かな時間帯の方が集中しやすいです。そこでおすすめなのが、「朝と夜」を上手に活用することです。
- 朝…脳がスッキリしているので、英語の長文や数学の問題演習など「頭を使う勉強」に
- 昼〜午後…眠くなりやすい時間帯なので、暗記や復習など「軽めの勉強」に
- 夜…その日やった内容の振り返りや、翌日の計画を立てる時間に
部活がある人は、「家に帰ってから頑張る」と考えるより、「朝に30分だけでも机に向かう」「通学時間に単語帳を見る」など、細切れの時間も組み合わせると、トータルの勉強時間を増やしやすくなります。
4-2. 短時間集中テクニックを使う
暑い時期は、1時間ずっと集中し続けるのはなかなか大変です。そんなときは、「25分だけ集中して5分休む」といった短時間集中のテクニック(いわゆるポモドーロ法)を試してみるのもおすすめです。
やり方はシンプルです。
- タイマーを25分にセットして、その間は1つの科目だけに集中する
- タイマーが鳴ったら、5分間は立ち上がってストレッチをしたり、水を飲んだりする
- これを2〜3セットくり返したら、少し長めの休憩(15〜20分)をとる
中学生なら、最初は「15分集中+5分休憩」から始めてもOKです。大事なのは、「だらだら長時間やる」のではなく、「短い時間でもいいから、ギュッと集中する時間」を1日に何回も作ることです。
5. モチベーションを保つためのメンタルの工夫
最後は、梅雨・夏の「やる気が出にくい」時期でも勉強を続けるための、メンタル面の工夫です。気合いだけに頼るのではなく、仕組みで自分を助けてあげましょう。
5-1. 「やる気待ち」ではなく「小さく始める」
「やる気が出たら勉強しよう」と考えていると、暑い日や雨の日はいつまでたってもスタートできません。おすすめは、「やる気がなくても、まず2〜3分だけ手を動かす」と決めてしまうことです。
例えば、
- とりあえず机に座って、英単語帳を1ページだけ開く
- とりあえずシャーペンとノートだけ出して、昨日の続きの問題を1問だけやる
- とりあえずタイマーを15分にセットして、「鳴るまではやる」と決める
一度手を動かし始めると、脳が「今は勉強モードだ」と判断して、自然と集中しやすくなることが多いです。「始めるまでが一番つらい」と割り切って、最初の2〜3分だけを乗り切る工夫をしてみてください。
5-2. ご褒美・ルーティンで習慣化する
人間は、「同じ行動を同じタイミングでくり返す」と、それが習慣になっていきます。そこで、勉強前後にちょっとした「ルーティン」や「ご褒美」を用意しておくのも効果的です。
- 勉強を始める前に、いつも同じ音楽を1曲だけ聞く
- 勉強をスタートするときに、同じ飲み物(水やお茶など)を用意する
- 「25分×4セットできたら、アイスを1つだけ食べてOK」など、小さなご褒美を決める
ポイントは、「がんばった自分をちゃんと認める」ことです。完璧にできなくても、「今日は暑い中でこれだけやれた」と自分をねぎらう習慣があると、次の日もまた机に向かいやすくなります。
梅雨や真夏は、どうしても集中しにくい季節です。それでも、環境・体調・勉強のやり方・メンタルを少しずつ整えていけば、「暑いけど、前よりは集中できている」と感じられるはずです。できることから一つずつ試して、自分なりの「夏でも集中できるスタイル」を見つけていきましょう。


