AI時代の勉強法:音声入力ツール「Typeless」と生成AIで英作文・要約トレーニングを加速する方法
TypelessとChatGPTを組み合わせると、英作文・要約の壁打ち練習を「話す+クリック」で高速に回せます。
スマホでは音声入力で下書きを量産し、PCでは日本語にカーソルを合わせて英訳や要約を直接指示できるからです。
まずはTypelessを入れて、1日15分「しゃべって英作文→AI添削」と「選択テキスト要約」を1セット試してみましょう。
1. この記事の位置づけとTypelessのイメージ
この記事は、すでに公開している「生成AIを壁打ち相手として英作文を勉強する方法」の“道具編”です。前回の記事では、ChatGPTなどの生成AIを先生ではなく「壁打ち相手」として使う考え方や、英作文・要約トレーニングの基本ステップをまとめました。
今回は、その壁打ち学習をさらに効率よく回すためのツールとして、音声入力アプリ「Typeless」にフォーカスします。とくに、スマホでの音声入力だけでなく、PC版で「日本語にカーソルを合わせて英訳や要約を直接依頼できる」点を中心に、勉強への活かし方を紹介します。
1-1. まずは前回の「AI壁打ち英作文」記事とセットで
Typelessを学習に活かす前提として、「AIをどう使うか」の土台となる考え方は前回記事で詳しく書いています。まだ読んでいない方、復習したい方は、以下のリンクから確認してみてください。
AI時代の勉強法:生成AI(ChatGPT等)を『壁打ち相手』にして英作文や要約を練習する方法
この記事では、具体的なプロンプト(AIへの頼み方)や、「自分で書く→AIで指摘→自分で直す」という壁打ちサイクルの回し方を整理しています。今回のTypeless活用法は、それを前提に「どうやって効率を上げるか」という話だと考えてください。
1-2. 「話す+選ぶ」で学習サイクルを速くするイメージ
Typelessを組み合わせると、壁打ちサイクルは次のような形に変わります。
- スマホ:声で英作文や要約メモを「一気に」出す(タイピングの代わり)
- PC:日本語や英語の文章にカーソルを合わせて、英訳・要約・書き換えを「直接」指示する
- ChatGPT:出てきた文章を壁打ち相手として添削・整理してもらう
つまり、「書く/読む」という行為に対して、Typelessが“手と口のアシスト”をし、ChatGPTが“頭の整理とフィードバック”を担当するイメージです。この2つをうまく組み合わせると、同じ時間でも「練習した量」がかなり変わってきます。
2. Typelessの基本機能と「PCならでは」の魅力
まずはTypelessがどんなツールなのか、英語学習者が知っておくと便利なポイントに絞って整理しておきます。
2-1. スマホでの音声入力:タイピングの壁を壊す
Typelessは、一言でいえば「賢い音声入力ツール」です。スマホでキーボードをカタカタ打つ代わりに、マイクボタンを押して話すと、その内容をきれいな文章にしてくれます。
とくに英作文の練習では、次のようなメリットがあります。
- フリック入力が苦手でも、声さえ出せれば長めの英文を書ける
- 歩きながら・通学中など、机に向かえない時間も英作文練習に変えられる
- 話し言葉の「えー」「あのー」などをある程度きれいにしてくれるので、そのまま下書きとして使いやすい
「タイピングがしんどいから英作文が続かない」という人には、まずスマホ版だけでもかなり価値があります。Typelessの詳細は公式サイトから確認できます。
2-2. PC版なら「選択して話すだけ」で英訳・要約ができる
Typelessの真骨頂は、PC版の「選択したテキストに対して音声で指示を出せる」機能です。イメージとしては、次のようなことができます。
- 日本語の文章を選択して、マイクに向かって「これを自然な英語に訳して」と話す
- 長めの英文を選択して、「3行で要約して」と話す
- 自分が書いた英作文を選択して、「もう少しシンプルな表現に直して」と話す
ブラウザ上のWeb記事でも、PDFでも、Wordやメモアプリでも、「文字が選べる場所ならほぼどこでも」この操作ができるのが魅力です。タブを行き来したり、文章をコピペしたりする手間が減るので、「読んだそばから要約・英訳してもらう」という勉強法と相性が抜群です。
このあと紹介する勉強法では、この「選択して話す」機能を前提にした使い方も例に挙げていきます。
3. 勉強法1:音声で英作文→ChatGPTで壁打ち
1つ目の勉強法は、前回の記事で紹介した「AI壁打ち英作文」を、Typelessで高速化するパターンです。スマホ中心のやり方と、PC中心のやり方に分けて見てみましょう。
3-1. スマホ中心:しゃべって英作文の下書きを作る
スマホをメインで使う場合は、「Typelessで英作文の下書きを作り、それをChatGPTに送って壁打ちする」という流れがシンプルです。
手順の例:
- 英作文のテーマを1つ決める(例:My favorite place / 最近の休日 / 好きな映画など)。
- スマホのブラウザやアプリでChatGPTを開き、入力欄を出しておく。
- キーボードをTypelessに切り替え、マイクボタンを押して英語で話す。
- 60〜120語(1〜2分程度)を目安に、「言いたいことを全部出す」つもりで話しきる。
- 音声入力を止め、表示された英文をそのままChatGPTに送信する。
- ChatGPTに添削を依頼し、印象に残ったポイントを3つだけメモする。
ChatGPTへの依頼は、たとえば次のようにするとバランスが良いです。
次の英文は、音声入力ツールで私が英語を話した内容を
そのまま文字にしたものです。
1)文法・語彙・表現の不自然な点を「最大5か所」だけ指摘し、
「誤り→より良い表現→理由(日本語で短く)」の形で教えてください。
2)そのうえで、意味を変えずに自然な英語に整えた
「改善版の例文」を1つ示してください。
(ここにTypelessで入力した英文)
この流れなら、「しゃべる→読む→直す」の3ステップを10〜15分で回せます。タイピングが苦手でも、“英語を書く時間”をしっかり確保できるのがポイントです。
3-2. PC中心:Typelessで推敲しながら英語表現を磨く
PCがメインの人は、「英作文の下書きはキーボードで書き、Typelessで細かい修正をかける」という使い方も便利です。とくに、自分なりに書いた英文のトーンや長さを調整したいときに力を発揮します。
手順の例:
- Wordやメモアプリ、ブラウザ上のエディタなどで英作文を書く。
- 気になる1文〜1段落をマウスで選択する。
- Typelessのショートカットを押してマイクを起動し、「この文をもっとシンプルに」「丁寧なビジネス英語に」などと話す。
- Typelessが提案してくれた書き換え案をベースに、自分の好みで微調整する。
- 仕上がった英文をChatGPTに送り、最終チェックや別表現の候補をもらう。
このやり方だと、「自分で書く」と「AIに書いてもらう」の間にある、「自分の文をAIと一緒に磨く」練習になります。いきなり全部をAIに任せるのではなく、あくまで自分の英文を軸にしながら、TypelessとChatGPTに“ツッコミ役”として入ってもらうイメージです。
3-3. Typelessの「賢さ」に注意:あえて『そのまま出力』させたいとき
ここで1つだけ、英語学習ならではの注意点があります。Typelessは「言おうとしたことを推論して、より自然で整った文章にしてくれる」性質があります。ふつうのメールやチャットではとても便利なのですが、「あえて文法ミスごと残して添削してほしい」ときには、この“賢さ”が邪魔になることがあります。
たとえば、本当は I goed to school yesterday. と言ってしまったのに、Typeless側で気を利かせて I went to school yesterday. と直して出力してしまう、というイメージです。こうなると、ChatGPTに「どこが間違っているか教えて」と頼んでも、肝心のミスが消えてしまうことになります。
こうした場面をなるべく避けるために、英語学習で使うときは、Typelessに対して「間違いを修正せず、そのまま出してほしい」という意図をプロンプト(指示文)で伝えておくのがおすすめです。
- 日本語での例:
これから英語学習用の音声を文字起こしします。たとえ英文法が間違っていても、話したとおりにそのまま出力してください。推測して補ったり、言い換えたりしないでください。 - 英語での例:
This is for English learning. Even if my English has grammar mistakes, please transcribe exactly what I say, without correcting or rephrasing it.
Typeless側にカスタムプロンプトを設定できる場合は、こうした文をあらかじめ登録しておくと便利です。設定できない場合でも、学習用のメモの先頭に入れておく、毎回最初に1回だけ話しておく、といった工夫で意図を伝えやすくなります。
それでも、ツールの性質上、完全に“生のミス”だけを残せるとは限りません。文法ミスそのものをじっくり見たいときは、あえて一部だけキーボードで入力する・Typelessの出力と自分の記憶を照らし合わせて「どこが整えられたか」を意識してみる、といった使い分けもおすすめです。
4. 勉強法2:選択テキスト要約・英訳で読解力アップ
2つ目の勉強法は、「読む力」を伸ばしたい人向けの方法です。Typelessの音声入力機能と、PC版の「選択テキストに指示できる」機能を組み合わせることで、ニュース記事や教科書の内容を素早く整理し、必要に応じて英語にもしてしまえます。
4-1. 読み終わった直後の「音声要約メモ」ルーティン
まずはスマホでもPCでも使える、オーソドックスな音声要約のルーティンです。
流れの例:
- 短めのニュース記事や教科書の1節を読む。
- 読み終わったら原文をいったん閉じる(見ない状態にする)。
- Typelessを起動し、「さっきの内容を1分で説明するつもり」で日本語または英語で話す。
- Typelessが作ってくれた要約メモを、そのままChatGPTに貼り付ける。
- ChatGPTに「3文要約」と「抜けたポイントの指摘」を頼む。
次の文章は、ある記事(または教科書)を読んだあとに、
私が内容を1分で口頭要約したものを、音声入力で文字にしたものです。
1)この文章の内容を「主張→理由→具体例」の流れで、
合計3文の日本語要約に整理してください。
2)原文にありそうなのに、私の要約から抜けていそうな
重要ポイントを2つまで推測して箇条書きにしてください。
3)私の要約のクセ(抜きがちな情報や、入れがちな余計な情報)があれば、
簡単にコメントしてください。
(ここにTypelessで作った要約メモ)
自分の要約と、ChatGPTが整理した3文要約を見比べることで、「自分はどこを読み飛ばしがちか」「どんな情報を余計に入れがちか」が見えてきます。これを繰り返すと、読解と要約の両方のクセがだんだん修正されていきます。
4-2. PCで日本語にカーソルを合わせて英訳・要約してもらう
PC版Typelessの強みは、ブラウザやPDF、Word上のテキストを選択して、その場で英訳や要約を頼めるところです。英語学習に絞っても、次のような使い方ができます。
- 日本語のニュース記事を読みながら、気になった段落だけ選択して「自然な英語に訳して」と話す
- 長めの英語記事の一部を選択して、「日本語で3行要約して」と話す
- 自分の英作文を選択して、「中学生レベルのシンプルな英語に言い換えて」と話す
いちいち文章をコピーして別アプリに貼る必要がなく、「読みながら→選択→話して指示→すぐ結果を見る」という流れを1つの画面で完結できるのが大きなポイントです。
たとえば、次のようなミニタスクを作っておくと、読解と英作文の両方を同時に鍛えられます。
- 日本語記事の1段落を選択し、「これを英語にしたあと、CEFR B1レベルに少し簡単にして」と話す
- 英語記事の1段落を選択し、「日本語で1文要約→その要約を中学生レベルの英語にして」と話す
出てきた英語は、そのまま受け取るのではなく、必ずChatGPTに壁打ちをお願いして、「どこを自分ならこう書きたいか」を考える時間を取りましょう。Typelessはあくまで“手足を助けるツール”、最終的な判断は自分で下す、という姿勢を忘れないことが大切です。
5. ChatGPT×Typeless学習を長く続けるために
最後に、ChatGPTとTypelessを組み合わせた学習を「続けやすくする工夫」と「安全に使うためのルール」を簡単にまとめます。
5-1. 1日15分のミニ習慣プラン
- 5分:Typelessで英語ミニスピーチ(60〜120語ぶん話す)
- 5分:その英文をChatGPTに添削してもらい、ポイントを3つメモ
- 5分:同じテーマでキーボード入力で書き直す(PCなら選択しながらTypelessで微調整)
週3〜5回、このセットを回すだけでも、「前より英語が口から出てきやすい」「文章にするスピードが上がった」と感じる人は多いはずです。大事なのは、「1回1回を完璧にやろうとしない」こと。多少雑でもいいので、「とりあえず1セット」を続ける方が長期的には効果が出ます。
5-2. 安全・安心に使うためのルール
- 本名・住所・学校名・会社名などの個人情報は話さない/書かない
- 他人のプライバシーに関わる具体的な話(実名やトラブルの詳細)は入力しない
- 学校や塾、職場が決めている「AI利用のルール」があれば必ず従う
- レポートや課題は、まず自分で考えて書き、最後のチェックや言い換えにだけAIを使う
- Typelessの利用規約・プライバシーポリシーは、公式サイトで一度目を通しておく
まずはTypelessをインストールして、今日から1日15分だけ、「しゃべって英作文→AI添削」と「選択テキスト要約」を試してみてください。前回の「AI壁打ち英作文」記事と組み合わせれば、あなたなりの「AI時代の勉強スタイル」が少しずつ形になっていくはずです。

