2026年共通テスト英語(リーディング)講評|大問別の狙い・解き方・来年に向けた学習ポイント
1. 全体の講評:今年のリーディングは何を測った?
1-1. 「英語を訳す」より「英語で情報処理する」力が中心
今年のリーディングは、短いメッセージのやり取り、調査結果の読み取り、物語文、説明文、そして複数意見+資料を踏まえたアウトライン作成まで、場面が多彩でした。共通して求められていたのは、英文を一文ずつ丁寧に和訳する力というよりも、必要な情報を探し出し、つなぎ合わせて結論を出す力です。
言い換えると、「英語を読んで、目的に合わせて判断する」練習ができている人ほど点を伸ばしやすい構成でした。
1-2. 設問は“言い換え”と“条件整理”が勝負どころ
選択肢は、本文の表現をそのまま繰り返すよりも、言い換えや視点のずらしで作られているものが目立ちました。特に、第2問の調査結果(割合の増減)や、第5問のイベント条件(期間・場所・条件・依頼)などは、本文と選択肢の言い換えを素早く対応させる力が必要です。
1-3. 配点が大きい大問ほど「統合・推論・編集」要素が強い
配点が大きめの大問(第5問・第8問など)は、情報量が多いだけでなく、「条件に合う/合わない」を判断したり、意見と資料を結びつけたりする設計でした。来年に向けては、長文を読む練習と同じくらい、図表・条件・依頼(やるべきこと)を整理する練習が効きます。
2. 第1問:短いメッセージを正確に追う
2-1. 何が問われた?
国際ダンスクラブのメンバー間のテキストメッセージを読み、発言者の意図や提案内容を正しく拾う問題でした。短い会話でも、話題が「安全」「衣装」「明日の予定」などに分岐しやすいのが特徴です。
2-2. 正解と考え方(解答番号1〜3)
解答番号1:③
「安全面を心配している人が2人だれか」を問うので、安全に関する発言(危険・ケガ・安全確認など)をした人物を拾います。正解はPatとValです。こういう設問は、本文全体を細かく読むより、まず“安全系ワード”が出ている発言者に印を付けるのが速いです。
解答番号2:①
Valの提案に従った場合、後半の衣装がどう見えるかを問う設問です。ここは「前半/後半」「明るさ」「色」「素材(反射など)」のような視覚情報の条件を整理して、図や選択肢に対応させます。ポイントは、衣装の説明が“途中で切り替わる”ことが多いので、後半だけを取り出して考えることです。
解答番号3:②
「明日、最初にやること」を問う設問では、未来表現(will / going to / plan to)よりも、直近の行動が何に依存しているか(先に確認が必要か)を見ます。正解は指導者(instructor)に相談するです。購入や練習より前に、許可やアドバイスが必要だと読み取れる流れになっています。
2-3. 来年のための学習ポイント
短文会話は、語彙力より「誰が何を心配し、何を提案し、次に何をするか」という役割分担の把握が大切です。練習では、会話を読んだら次の3点を一行でメモする癖をつけると強くなります。
- 話題(安全/衣装/スケジュールなど)
- 提案した人と内容
- 明日の最優先行動
3. 第2問:調査結果+コメントを統合する
3-1. 何が問われた?
大学の寮(キャンパス宿泊施設)に関する満足度調査の報告文と、居住者コメントを読み、報告側の見方と個人の体験談を整理する問題でした。数値(%)と評価語(満足/不満、良い/悪い)の対応が鍵です。
3-2. 正解と考え方(解答番号4〜7)
解答番号4:①
運営側は「回答率は完璧ではないが、結果を信頼するには十分」という立場です。つまり、“十分な人数が回答したので信頼できる”というまとめが最も合います。ここは、本文の「完璧ではない→しかし十分」という流れ(譲歩→結論)を落とさないのがコツです。
解答番号5:③
数値問題は「増えた/減った」を取り違えやすいです。本文では、健康的だと感じた割合が前回より下がっています。よって、“健康的だと答えた割合が低下”が正解です。安全面は上がっており、食事は「おいしい」は多数でも「健康的」は少ない、というズレがポイントでした。
解答番号6:④
Naokiは、一般的な日本人学生の選択(ホームステイ)とは違う道を選び、結果として友人ができたなど肯定的に振り返っています。食事面には弱点を感じつつも代替案も見つけているので、全体としては寮を選んだ判断に満足しているのが正解です。
解答番号7:②
コメント問題は、内容の中心が「何に困ったか/何が良かったか」です。正解が示す通り、Helgaは学習の妨げになるような騒音に触れていると読み取れます。選択肢の中で「勉強に支障が出る」という言い方が最も一致します。
3-3. 来年のための学習ポイント
調査結果は、本文を全部読むより先に「項目」と「数値の動き」を押さえると正確になります。おすすめは、本文中の数値を見つけたら、頭の中で次の形にそろえることです。
- 安全:82%(前回より+5)
- おいしさ:73%(多数)
- 健康:45%(前回より−8)
こうして並べると、設問が来た瞬間に「増えたのは安全、減ったのは健康」と判断できます。
4. 第3問:物語文は「出来事の因果」と「気づき」
4-1. 何が問われた?
短い物語(ワークショップでの出来事)を読み、参加理由・出来事の順序・語彙の意味を問う構成でした。物語は、細部よりも「何が起き、どう感じ、何を学んだか」を押さえると強いです。
4-2. 正解と考え方(解答番号8〜13)
解答番号8:②
参加理由は、本文冒頭の動機説明が根拠です。本人が自分で参加し、きっかけは家族(父)のすすめ。よって、家族に勧められたが正解です。
解答番号9〜12:②→③→⑤→①
並べ替えは「目立つ出来事の順」ではなく、本文中の時系列を丁寧に追う問題です。今回は、まず小さな音に気づく→虫が離れる→指導者が外に逃がす→筆者が学びを得る、という自然な流れです。なお、虫を捕まえる場面で「手で捕まえた」と読み違えると崩れます。ここは道具(カップ)を使った点が要注意でした。
解答番号13:④
文脈は「命あるものへのやさしさ」に寄っているので、意味としては“やさしい/思いやりがある”方向が正解です。したがって、tender(やさしい、温かい)が合います。
4-3. 来年のための学習ポイント
物語文の語彙問題は、辞書的な意味よりも「その場面での感情の向き」を見ます。練習としては、本文を読んだ後に登場人物の気持ちを矢印で整理すると効果的です(不安→驚き→安心→気づき、など)。
5. 第4問:英文編集は「目的」と「読み手の疑問」
5-1. 何が問われた?
英語クラブのニュースレターの下書きに、指導者のコメントが付き、目的に合う表現の追加・文の挿入位置・言い換えを選ぶ問題でした。読者が「何のための活動?」「ルールは?」「何が得られる?」と疑問を持つ箇所を補う発想が重要です。
5-2. 正解と考え方(解答番号14〜17)
解答番号14:③
ポスター作りの“目的”を説明する追加が求められています。活動の狙いは、学校内で環境配慮の行動を促すこと。よって、生徒のエコ行動を促進する方向の語句が正解です。
解答番号15:③
「1時間で他チームより多く拾う」という文は、勝敗基準=ルール説明に属します。したがって、ルールの説明が出てくる流れ(説明を聞く場面)に置くのが自然で、<C>が正解です。
解答番号16:①
下線部の置き換えは、活動内容(古着・再利用)に対して、学校行事としての学びが伝わる文が求められます。利益や価格の話に寄りすぎると主旨がぶれやすいので、再利用の良さを知る方向の文が最も適切です。
解答番号17:③
締めくくり部分は「私たちが〜にもっと関わる」という自然な呼びかけが求められます。よって、get ourselves more involved in(より積極的に関わる)が正解です。
5-3. 来年のための学習ポイント
編集問題は、英語力に加えて“文章の役割”を読む力が問われます。練習では、各段落の役割を日本語で一言にすると強いです。
- 導入:問題提起(なぜ必要か)
- 本文:活動の説明(何をするか/どうやって)
- 結び:呼びかけ(参加してね)
この骨組みがあると、「目的を足せ」「勝敗の決め方を入れろ」と言われたときに、どこを直すべきか迷いにくくなります。
6. 第5問:案内文+メールは「条件整理」と「依頼の特定」
6-1. 何が問われた?
図入りの案内(図書館のイベント)を読んで条件を整理し、さらに申込後に届いたメールの要点(してほしいこと)を答える問題でした。イベントの目的、期間、場所、条件(価格上限など)、ボランティア特典など情報が多いぶん、整理が得点源になります。
6-2. 正解と考え方(解答番号18〜23)
解答番号18:③
目的は「さまざまな国の絵本を子どもに紹介する」ことです。案内文は“誰のために何をするイベントか”を押さえると、目的問題はぶれません。
解答番号19:④
ボランティアにはクーポンが渡されるので、これは実質的なお礼(ギフト)に当たります。よって「ありがとうの品がある」が正解です。読み取りでは、「もらえるもの(特典)」が明記されているかを確認します。
解答番号20:⑤(BとD)
4冊の特徴の組み合わせ問題は、本文情報と照合して「全てが当てはまる」条件を探します。正解は、予算条件を満たすことと、動物が登場することのセットです。こういう設問は、選択肢を先に眺めてチェック項目(予算・内容など)を作ると速いです。
解答番号21:③
4冊のうち1冊だけ条件から外れるため、イベントに含まれない本があります。正解はPanda Adventuresです。条件外になりやすいのは「価格上限」や「対象年齢(preschool向けか)」などなので、普段の練習でも条件に線を引く癖が役立ちます。
解答番号22・23:③と⑤
メールで求められている行動は2つ。正解は、読み聞かせ(Story Time)への参加と、別の本の提案です。メール問題は、丁寧表現でも中身は「依頼」なので、動詞(参加する/提案する/再提出する等)に注目すると外しにくいです。
6-3. 来年のための学習ポイント
案内文は「条件を整理した人が勝つ」タイプです。練習としては、案内文を読んだら次の5点を必ず抜き出してください。
- 目的(何のため)
- 期間(いつからいつまで)
- 場所(どこで)
- 条件(上限金額・対象など)
- 得すること(特典)
7. 第6問:長めの物語で「人物像」と「テーマ」をつかむ
7-1. 何が問われた?
おにぎり屋をめぐる物語を読み、人物の特徴、出来事の時系列、人物の本質(行動から読み取る優しさ)、そして物語の要点を問う問題でした。感動系の物語は、雰囲気に引っ張られず、根拠となる行動を押さえることが大切です。
7-2. 正解と考え方(解答番号24〜31)
解答番号24・25:①と④
登場する店主は口数が少なく、そっけなく見える描写がある一方、行動で助ける人物です。また、店内の写真などから、若い頃に剣道をしていたことが読み取れます。したがって、無愛想に見える+若い頃に剣道経験の組み合わせが正解です。
解答番号26〜29:③→④→①→⑤
ここは「物語の語られ方の順番」ではなく、設問が求める「人生の中で起きた順番」を整理します。具体的には、竹刀を見つける→おまけを渡す→試合で活躍する→大人になって鮭おにぎりが昔を思い出させるという時系列です。なお「誰に宛てたメッセージか」のように、細部の主語・目的語のズレがひっかけになることもあります。
解答番号30:④
店主の優しさは、会話ではなく行動(黙って助ける、黙って励ます)に表れています。よって、言葉ではなく行動で親切を示すが正解です。
解答番号31:②
物語の結末は、大人になった主人公が昔の記憶を力にして仕事に向かう流れです。したがって、おにぎりにまつわる思い出が後の人生に影響したが要点として適切です。
7-3. 来年のための学習ポイント
物語文で安定して点を取るには、登場人物を「性格」で決めつけず、「行動→評価」を作る練習が効きます。例えば、無愛想に見える描写があっても、行動が親切なら人物像はそちらが本質です。本文中の行動(助けた/渡した/励ました)に下線を引く癖をつけましょう。
8. 第7問:説明文は「対比・因果・例」を線でつなぐ
8-1. 何が問われた?
心の「ぼんやり(マインドワンダリング)」を題材に、利点・欠点、脳科学的説明、活用のコツまでをまとめた説明文でした。設問は、定義、メリット・デメリット、因果関係(なぜアイデアが出るか)、研究結果の要点、そして具体例(生活習慣)への当てはめが中心でした。
8-2. 正解と考え方(解答番号32〜37)
解答番号32:③
マインドワンダリングは、目の前の活動から注意がそれた状態として説明されています。したがって、集中が現在の作業から外れたときが正解です。
解答番号33・34:①と④
本文は、創造的な発想に役立つ面がある一方で、幸福感の低下や不安との関連にも触れています。よって、メンタルに影響する+新しいアイデアを生むが正解です。
解答番号35:②
「離れている間に脳が情報を整理し、新しい結びつきを作る」という説明があり、これが解決のひらめきにつながると述べられています。したがって、脳が情報を新しい形で整理するが正解です。
解答番号36:①
ぼんやりしているときも脳は受け身ではなく、複数の領域が活動している、という研究結果が示されます。よって、複数領域が活動しているが正解です。
解答番号37:④
本文のコツは「単純作業」「自然の中」「十分な睡眠」「起床直後の思考に気づく」などです。屋外での活動が多い人、リラックスできる入浴・温泉などを取り入れている人が当てはまりやすく、正解はBarryとChihiroです。逆に、睡眠を削る習慣や起床直後にスマホに意識が吸われる習慣は、本文の助言とずれやすい点がポイントでした。
8-3. 来年のための学習ポイント
説明文は、段落ごとに「何を言いたい段落か」を掴むと一気に読みやすくなります。今回なら、導入(テーマ)→利点/欠点→仕組み→脳科学の証拠→活用のコツ→まとめ、という流れです。接続語(対比、追加、結論)に印を付ける練習がとても有効です。
9. 第8問:複数意見+資料で「論の骨組み」を作る
9-1. 何が問われた?
スポーツと技術の関係について、複数人の意見を読み、立場を取り、資料(Source)も使ってエッセイのアウトラインを完成させる問題でした。共通テストらしく、単なる要約ではなく「意見の共通点」「自分の立場への支持」「資料の読み取り」がまとまって問われています。
9-2. 正解と考え方(解答番号38〜44)
解答番号38:④
Akaneは、スポーツが高額になると参加のハードルが上がる点を心配しています。よって、費用が参加の障壁になるが正解です。
解答番号39:①
Fionaと(本文中の別の人物)は、技術が競技の公平性に影響するケースを問題として挙げています。したがって、高度な技術が不公平な有利さを生むが正解です。
解答番号40・41・42:③と⑤、そして①
立場は「技術進歩を受け入れる」。この立場を最も支持するのは、観戦の面白さや記録更新など“スポーツの進化”を肯定する側の意見です。正解の組み合わせはJackとTamaraで、共有している考えは技術進歩がスポーツの進化を促すという点です。
解答番号43:②
資料(Source A)に基づく理由づけでは、技術を全面否定するのではなく、一定の規制を入れつつスポーツの価値を保ちながら体験を良くするという整理が最も合います。
解答番号44:③
資料(Source B)のデータを根拠にする設問では、本文とデータのズレ(言い過ぎ)に注意が必要です。正解は、複数グループで「脚への負担が減った」と感じた割合に基づき、技術によってより良いコンディションを保ちやすいという示唆につなげるものです。
9-3. 来年のための学習ポイント
このタイプは「誰が何を心配し、誰が何を歓迎しているか」を表にすると強くなります。練習では、意見文を読んだら必ず次の3点を書き出してください。
- 立場(賛成/反対/条件付き)
- 理由(公平性/費用/観戦の面白さ/健康など)
- 例(具体例が何か)
資料問題は、「データが示している事実」と「そこから言えること」を分けるのが安全です。事実(半数以上が負担減と回答)→言えること(負担軽減で継続しやすい)という二段階で判断しましょう。
10. 来年に向けた学習ロードマップ
10-1. 語彙・文法は「読める形」で整える
共通テストは、難解な単語だけを覚えても点が伸びにくいです。むしろ、案内文や説明文で頻出の「条件」「比較」「増減」「例示」の表現を固めるのが効きます。文法も同様で、問題集を解くだけでなく、読解でつまずきやすい形(関係詞、分詞、挿入、比較、指示語)を「見た瞬間に意味が取れる」まで慣らすのが目標です。
10-2. 週のルーティン:速読より「正確に速い」
読むスピードは大事ですが、共通テストは“雑に速い”より“正確に速い”が勝ちます。おすすめの週ルーティン例です。
- 平日:短めの英文を毎日(案内文・記事・会話など)+要点を1〜2行でまとめる
- 週2回:図表・条件整理の問題(イベント案内、アンケート、比較表など)
- 週1回:時間を測って大問演習(解いた後に「根拠の文」を必ず確認)
10-3. 本番戦略:「捨て問」ではなく「保留」を作る
本番で止まりやすいのは、資料・条件整理・意見統合の大問です。そこでおすすめなのが「保留」という考え方です。迷ったら空欄にせず、2択まで絞って印を付けて次へ進み、最後に戻る。これだけで取りこぼしを減らしやすくなります。
11. まとめ:共通テストのリーディングで伸びる力
11-1. 最後にチェックしたいこと
今年の問題は、日常に近い場面から社会的テーマまで幅広く、英語を「情報」として扱う力が中心でした。来年受験する人は、単語暗記や文法だけで終わらせず、
- 条件を整理する
- 言い換えを見抜く
- 文章の役割(目的・ルール・結論)をつかむ
この3点を意識して演習すると、得点が安定しやすくなります。次の1年で十分伸ばせます。焦らず、毎週の小さな積み重ねを作っていきましょう。


