模試・実力テストの結果の見方と活かし方|偏差値・判定・復習の優先順位を徹底解説

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模試・実力テストの結果を“ただの成績表”で終わらせない活かし方

1. 模試・実力テストの結果を「材料」に変える考え方

模試や実力テストの成績表を見ると、多くの人はまず「点数」「偏差値」「判定」に目がいきます。そして「良かった」「悪かった」で一喜一憂して終わってしまいがちです。

でも、本来の目的は「この結果をもとに、次に何をするか」を決めることです。成績表は通知表ではなく、これからの勉強を調整するための「検査結果」や「健康診断のデータ」のようなものだと考えると使いやすくなります。

1-1. 「良かった・悪かった」で終わらせないために

テストの結果を見たとき、人はどうしても感情が先に動きます。「やった!」「やばい…」と感じること自体は自然なことです。ただ、その感情だけで終わらせてしまうと、せっかくのデータがほとんど活かせません。

おすすめは、感情のステップと分析のステップを分けて考えることです。まずは結果のショックや喜びを受け止めたあとで、次のような目線で成績表を見直してみてください。

・どの教科・単元が「できている」のか
・どの教科・単元が「これから伸ばせるポイント」なのか
・テストの受け方(時間配分・見直し・集中力)に課題はないか

こうした「問い」をもって成績表を見るだけで、「良かった/悪かった」という感想から「じゃあ次に何をするか」に意識が移りやすくなります。

1-2. 模試の目的を知ると成績表の見え方が変わる

模試や実力テストには、大きく分けて次のような役割があります。

・今の実力を、同じ学年の中での「位置」として知ること
・志望校に対して、現時点でどれくらいの距離があるかを知ること
・どの単元や問題タイプでつまずきやすいかを見つけること
・本番に近い環境で「テストの受け方」を練習すること

つまり、模試の成績は「合否を決めるもの」ではなく、「本番までに軌道修正するための情報」です。この視点を頭に入れておくと、偏差値や判定にも少し落ち着いて向き合えるようになります。

2. 偏差値・判定の正しい読み方

成績表で目立つのが「偏差値」と「志望校の判定」です。この2つの意味を大まかに理解しておくと、数字に振り回されにくくなります。

2-1. 偏差値は「順位を表す数字」

偏差値は、簡単に言うと「同じテストを受けた人たちの中での位置(順位)」を数字にしたものです。平均が50になるように作られていて、数字が大きいほど上位、小さいほど下位になります。

イメージとしては、次のように捉えると分かりやすいです(あくまで目安です)。

・偏差値50前後:ちょうど真ん中あたり
・偏差値55くらい:上位3割くらい
・偏差値60くらい:上位1〜2割くらい
・偏差値40くらい:下から数えて2〜3割くらい

大事なのは「前回の自分」と比べることです。偏差値はテストの難しさや受験者の層によっても変わります。同じ偏差値でも、模試によって意味が少し違うこともあります。そのため、1回ごとの数字に一喜一憂しすぎず、「教科ごとのバランス」や「数回分の推移」を見ることが大切です。

2-2. 合格判定A〜Eは「今の位置」の目安にすぎない

志望校の判定に「A判定」「C判定」「E判定」などの記号が出ることがあります。これは、模試会社が過去のデータなどから「今の成績のまま本番を迎えたら、合格の可能性はこのくらい」と予測したものです。

よくある目安としては、A判定は「合格の可能性が高い」、C判定は「五分五分」、E判定は「このままだとかなり厳しい」といったイメージです。ただし、これは「今の時点」の話であって、「将来の合否」を決めるものではありません。

実際には、そこから数か月〜1年の勉強次第で判定が2ランクほど動くことも珍しくありません。A判定だから安心しきってしまうのも、E判定だからといってあきらめてしまうのも、どちらももったいない使い方です。

2-3. 志望校別の判定でチェックしたいポイント

志望校の判定を見るときは、記号だけでなく次のような点も一緒に確認してみてください。

・その学校が特に重視している教科(配点が高い教科)はどこか
・自分の得意教科・苦手教科とのギャップはどれくらいか
・同じ志望校でも、模試ごとに判定が変わっていないか
・判定が悪かった学校でも「あと何点・偏差値何ポイントくらい足りないのか」

例えば、「数学の配点が高い高校なのに、数学の偏差値が他の教科よりかなり低い」といった場合は、合計点よりも数学の強化を優先した方が効率的です。このように、「志望校の特徴」と「自分の成績」を重ね合わせて見ると、次にやるべきことが見えやすくなります。

3. 成績表から「弱点」と「伸びしろ」を読み取る

成績表の本当の価値は、「何点取ったか」よりも「どんな問題で、どのように間違えたか」が分かるところにあります。ここを丁寧に見ることで、「弱点」だけでなく「伸ばしやすいポイント」もはっきりしてきます。

3-1. 得点よりも「正答率」と「設問別の出来」に注目

多くの模試には、各問題の「正答率(その問題を正解した人の割合)」が載っています。復習の優先順位をつけるときは、次のように見るのがおすすめです。

・正答率が高い(多くの人ができている)のに、自分は間違えた問題
・自分だけでなく、全体的にも正答率が低い「難問」

前者は「落としたくないサービス問題」で、ここを拾えるようになると偏差値も上がりやすくなります。後者は、今の段階では無理に完璧を目指さず、「解説を読んで流れだけ理解しておく」程度にしておくのも現実的な作戦です。

また、設問ごとに「ケアレスミスなのか」「そもそも解き方が分からなかったのか」などを簡単にメモしておくと、後の対策が立てやすくなります。

3-2. ケアレスミス・時間切れ・知識不足を切り分ける

同じ「間違い」でも、中身は次のように種類が分かれます。

・ケアレスミス:計算の符号ミス、マークのずれ、問題の読み違いなど
・時間切れ:最後まで解けなかった、見直しができなかったなど
・知識不足・理解不足:そもそも解き方が思い浮かばない、用語が分からないなど

これらをごちゃまぜにしたままだと、「とにかくもっと勉強しないと…」という漠然とした反省で終わってしまいます。模試の復習では、間違えた問題に印をつけながら、「ミス」「時間」「知識」のどれなのかを自分なりに分類してみましょう。

分類ができると、対策も具体的になります。例えばケアレスミスが多いなら「計算途中を必ず紙に残す」「見直しの時間を5分確保する」などの工夫が必要ですし、知識不足なら「教科書や参考書に戻って、関連する問題をまとめて解き直す」といった勉強法が有効です。

3-3. 教科別に「次の一手」を決める

成績表を見ながら、教科ごとに「次にやること」を1〜2個だけ決めておくと、勉強の方向性がぶれにくくなります。

例えば、次のようなイメージです。

・数学:一次関数と証明問題でミスが多かった → その単元だけ教科書の基本問題をやり直す
・英語:文法は取れているが、長文で時間切れ → 普段から時間を測って長文問題を解く練習をする
・国語:記述よりも選択問題の落としが多い → 選択肢の消し方や根拠の探し方を意識して解き直す
・理科・社会:用語は覚えているが、グラフや資料問題で失点 → 資料の読み取り問題を集中的に練習する

「全部を完璧にしよう」とすると疲れて続きません。模試1回につき、「各教科1〜2テーマ」にしぼって改善していく方が、現実的で続けやすいやり方です。

4. 効率のいい復習の順番とやり方

模試の結果を活かすうえで、もっとも重要なのが「復習の仕方」です。点数を上げている生徒ほど、模試の復習がていねいで、やり方にも工夫があります。

4-1. 復習は24時間以内に「ざっくり→じっくり」

人の記憶は時間がたつほど薄れていきます。テスト後すぐは、「どこで迷ったか」「なぜその選択肢を選んだか」がまだ頭に残っていますが、数日たつとその感覚が思い出せなくなってしまいます。

そのため、理想は「テスト当日〜翌日までに一度ざっと見直す」ことです。この段階では、完璧な理解までは目指さず、次のようなことだけ整理します。

・できた問題、手応えのあった問題に〇をつける
・迷った問題、時間がかかった問題に△をつける
・全く分からなかった問題、白紙だった問題に×をつける

その上で、数日かけて「△と×の問題」を中心に、教科書や解説を読みながらじっくり解き直していきます。最初にざっくり全体を振り返っておくことで、後からの復習がスムーズになりやすくなります。

4-2. 間違えた問題を「解き直すだけ」で終わらせない

解き直しをするとき、答えと解説を見て「そうか、こうやって解くのか」と理解して終わりにしてしまうことがあります。しかし、それだけでは次の模試で同じタイプの問題が解けるとは限りません。

おすすめは、間違えた問題について次の3ステップを行うことです。

・ステップ1:「なぜ間違えたのか」を自分の言葉で書き出す(読み違い・計算ミス・公式を忘れていたなど)
・ステップ2:「正しい解き方の流れ」を、解説を参考にしながら自分でまとめる
・ステップ3:数日後に、解説を見ずにもう一度解いてみる

この「理由を言葉にする」「時間をおいてもう一度解く」という2つの工夫が入ることで、記憶の定着がぐっと良くなります。実際、同じ問題を少し時間をあけて2〜3回解いた方が、1回だけ長時間悩むよりも学習効果が高いことが知られています。

4-3. ノート・ルーズリーフでつくる「模試用復習ファイル」

模試の復習を続けるコツは、「あとから見返しやすい形」にしておくことです。おすすめは、ルーズリーフやバインダーを使って「模試復習ファイル」を作る方法です。

やり方の一例は次の通りです。

・間違えた問題だけを、問題用紙から切り取るかコピーしてルーズリーフに貼る
・その横に「間違えた理由」と「正しい解き方のポイント」をメモする
・ページの上に、テスト名・実施日・教科を書いておく
・後で解き直した日付と、できたかどうか(〇・△・×)を記録しておく

こうしておくと、「自分専用の弱点集」「やり直し問題集」ができあがります。次の模試の前にこれを見返すだけでも、かなり効果的な復習になります。

5. 次の模試までにやることリスト

模試の結果を見て分析し、復習をしたら、最後に「次の模試までに何をするか」をはっきりさせておきましょう。ここまでやって初めて、模試の結果が「行動」に変わります。

5-1. 目標偏差値と学習計画の立て方

まずは、志望校や自分が目指したいラインから「目標偏差値」をざっくり決めます。「次の模試で偏差値を○ポイント上げる」というように、具体的な数字があると計画が立てやすくなります。

ただし、短期間で一気に大きく上げるのは現実的ではありません。特に偏差値がすでに高い場合は、1〜2ポイント上げるだけでもかなりの努力が必要です。そのため、「半年で全体の偏差値を5ポイント上げたい。そのために、まずは次の模試までに1〜2ポイント上げることを目標にする」といったように、段階的な目標にするのがおすすめです。

学習計画を立てるときは、次の3つを意識してみてください。

・毎日やる「小さな習慣」(英単語・計算・一問一答など)
・週単位で取り組む「単元の復習」(苦手単元をテーマに)
・模試の直前1〜2週間でやる「総復習」(模試復習ファイルを中心に)

この3つを組み合わせると、「日々の勉強」が「模試の結果」と自然につながっていきます。

5-2. 当日の受け方を見直す(時間配分・見直し・メンタル)

点数は、知識や理解度だけでなく「テストの受け方」によっても大きく変わります。同じ実力でも、時間配分や見直しの仕方が上手な人ほど、安定して点数を取れるようになります。

模試の後は、次のようなことも振り返ってみましょう。

・最初に問題全体をざっと眺めたか
・1問に時間をかけすぎて、最後に時間が足りなくならなかったか
・見直しの時間を何分くらい確保できたか
・緊張しすぎて普段通りの力が出せなかった場面はなかったか

こうした反省点があれば、次の模試までに「家で模試形式の演習をする」「本番と同じ時間割で過去問を解いてみる」など、受け方の練習もしてみてください。本番に近い形で練習を重ねることで、テスト中の集中力やメンタルも安定しやすくなります。

5-3. 保護者にできる声かけ・サポート

保護者の方にとっても、模試の結果は気になるものです。ただ、子どもからすると、「点数を責められるのでは」と不安に感じてしまうこともあります。そこで、大人に意識してほしいポイントをまとめておきます。

・点数や判定だけでなく、「前回から伸びたところ」「がんばった過程」にも目を向けて声をかける
・結果を見てすぐに「なんでこんな点数なの?」と言うのではなく、「今回のテスト、どうだった?」とまず本人の気持ちを聞く
・必要であれば、一緒に成績表を見ながら「どの教科を重点的にやる?」「次の模試までに何をする?」と相談に乗る
・親の不安を、そのまま子どもにぶつけない(不安があるときは、学校や塾の先生に相談するのも一つの方法です)

模試の結果は、「親子で落ち込むための紙」ではなく、「これからの作戦会議の材料」です。結果の良し悪しに振り回されすぎず、「次にどうつなげるか」を一緒に考えていけると、子どもにとっても心強いサポートになります。

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