「家庭学習って、1日どれくらいさせたらいいんだろう…?」
「勉強しすぎて疲れないかも心配だし、でも少なすぎても不安…」
教室で保護者の方とお話ししていると、
この「家庭学習のちょうどいい量」についてのご相談を、本当によくいただきます。
結論から言うと、正解は「〇時間ピッタリ」ではありません。
ですが、学年ごとの目安と、お子さんのタイプごとの目安を知っておくと、
「うちはこれくらいを目指そう」と考えやすくなります。
この記事では、プロ講師による個別指導の現場での経験をもとに、
家庭学習の目安を「学年別」と「タイプ別」にわかりやすく整理してみます。
まず大前提:「時間」よりも「中身」と「続けやすさ」
具体的な時間の目安に入る前に、
ぜひ覚えておいていただきたい前提が2つあります。
① 長くダラダラより、短くても集中できる時間を
同じ1時間でも、
- テレビやスマホを横目に見つつ、ダラダラ問題を解く1時間
- 机の上を整えて、15〜20分ずつ集中して取り組む1時間
では、身につく内容がまったく違います。
ですので、まずは「集中して取り組める時間」を基準に考えるのがおすすめです。
② 「毎日ゼロの日を減らす」ことが一番効く
プロ講師の立場から見ると、
- ある日は2時間、ある日はゼロ、という極端なパターン
- 毎日30〜40分でも、細く長く続けているパターン
では、後者の方が成績が安定して伸びやすいです。
なので家庭学習は、
「たまにがんばる」より「ゼロの日を減らす」ことを優先するイメージで考えてみてください。
学年別:家庭学習時間の目安
ここからは、あくまで「目安」としての時間です。
部活や習い事の状況、お子さんの体力・集中力によって、前後させて構いません。
小学生(高学年)
- 平日:30〜60分
- 休日:60〜90分(分けて行う)
この時期は、「机に向かう習慣をつくること」が最優先です。
計算・漢字・音読などの基礎練習+少しだけ応用がちょうどいいバランスです。
中学1〜2年生
- 平日(部活あり):45〜90分
- 休日:90〜120分
部活が本格化する学年です。
平日は「学校ワーク+英語か数学をどちらか重点的に」といったように、
やることを絞ってあげると続けやすくなります。
中学3年生(受験生)
- 平日(部活引退前):60〜120分
- 平日(部活引退後):90〜150分
- 休日:120〜240分(午前・午後で分ける)
受験生といっても、いきなり長時間は難しいです。
夏までは「ゼロの日をなくす」ことを優先し、
秋以降に少しずつ時間を増やしていくイメージが現実的です。
高校生
- 高1〜2:平日90〜120分、休日120〜180分
- 高3:志望校・学部にもよりますが、平日120〜180分を1つの目安に
高校生は、「授業の予習・復習」と「共通テストや受験対策」が並行する時期です。
時間だけでなく、何にどれくらい配分するかの計画も大切になってきます。
タイプ別:お子さんの「今」に合わせた目安
同じ学年でも、
- 勉強にまだ慣れていない子
- 標準的に頑張れている子
- 難関校を目指してガッツリ頑張りたい子
では、ちょうどいい勉強時間が変わってきます。
ここでは、中学生を例に「タイプ別の目安」をまとめてみます。
① 勉強にまだ慣れていない子
こんなタイプのお子さんです:
- 机に向かうとすぐに気が散ってしまう
- テスト前以外は、ほとんど家庭学習をしてこなかった
- 何から始めればいいか分からず、手が止まりがち
このタイプは、最初から長時間を目指すと、ほぼ確実に続きません。
おすすめは、
- 平日:30〜45分を目安にする
- 「まずはこれだけ」で終わりが見えるメニューにする(例:英単語10個+計算10問)
- がんばれた日は、しっかりほめる
「短くても、ちゃんと続いている自分」という感覚が育ってくると、
自然と勉強時間を増やしやすくなります。
② 標準的に頑張れている子
こんなタイプです:
- テスト前にはそれなりに勉強する
- 宿題は基本的にきちんと出す
- 成績は中〜中の上くらいだが、もう少し上を目指したい
このタイプは、
- 平日:60〜90分
- 休日:90〜120分
くらいを目安に、
- 学校の宿題・ワーク
- +「英語・数学のどちらか」をじっくり復習
- +テスト直し・小テストのやり直し
という「3本立て」を意識すると、成績が安定して伸びやすくなります。
③ 難関校を目指したい子
たとえば、
「南陽高校サイエンスリサーチを目指したい」
「私立の進学校も視野に入れている」
といったお子さんです。
このタイプは、
- 平日:90〜120分(テスト前はもう少しプラス)
- 休日:120〜240分
を目安にしつつ、
- 学校+塾の課題をしっかりこなす
- +入試問題や応用問題に少しずつ触れる
- +英検などの資格試験も計画的に組み込む
という形が理想です。
ただし、「量だけ増やして睡眠不足」になると逆効果なので、
塾側と相談しながら、無理のない範囲で調整していくことが大切です。
家庭でよくあるお悩みと、考え方のヒント
「うちの子、スマホがあると全然集中できなくて…」
スマホの問題は、家庭学習時間と切り離せません。
いきなり「完全禁止」にするとぶつかりやすいので、
- 「勉強の最初の20分だけは、スマホを別の部屋に置く」
- 「勉強が終わったら、◯分だけスマホOK」
など、「時間を区切ったルール」にするのが現実的です。
このあたりは、別の記事でくわしく取り上げていきます。
「やる気がないから、時間も増えないんです…」
やる気があるから勉強する、というよりも、
「少し勉強してみる → できることが増える → ちょっとやる気が出る」
という順番になることが多いです。
ですので、
最初から「やる気」を求めすぎず、まずは短い時間でいいので続けることに
意識を向けてみてください。
慶京セミナー宇治小倉校として大切にしていること
当教室では、
- プロ講師のいる個別指導として、教科ごとの専門性を生かした学習計画づくり
- 個人の感想や体験だけに頼らない指導方針(学習の理論やデータもふまえて考える)
- 小規模だからこそできる柔軟な調整(部活・ご家庭の事情に合わせた宿題量など)
を大事にしながら、
「この子にとって、現実的で、でもちゃんと伸びる勉強時間」を一緒に探しています。
「うちの子の場合は、どれくらいがちょうどいいんだろう?」
と気になったときは、面談や体験授業の際に、ぜひお気軽にご相談ください。
お子さんのタイプや生活リズムに合わせて、
無理のない、でもしっかり力がついていく家庭学習のペースを一緒に考えていきましょう。

