勉強が長続きする子はみんなやっている『小さな目標の立て方』
1. 勉強が続く子と続かない子のいちばん大きな違い
1-1. 「やる気」ではなく「目標の立て方」がカギ
「よし、今日こそ勉強するぞ!」と思っても、気づけばスマホを触って終わっていた…。そんな経験は多くの中高生がしています。ここで大事なのは、意志が弱いかどうかではなく、「目標の立て方」がうまくいっているかどうかです。
同じくらいの学力でも、コツコツ続けられる子は「今日やること」「今週やること」が具体的に決まっています。逆に続かない子は、「数学をがんばる」「テスト勉強する」など、ざっくりした目標のままスタートしてしまいがちです。
人の脳は、あいまいなことよりも「何ページやる」「何問解く」のように、はっきりしたゴールの方が動きやすい性質があります。だからこそ、勉強を長続きさせたいなら、「やる気」より先に「小さな目標をどう作るか」を整えることが近道になります。
1-2. 脳が続けやすいのは「小さなゴール」
一度に大きな目標を立てると、すぐに心が折れてしまいます。「英語の教科書を1冊やる」「この参考書を全部終わらせる」などの大きな目標だけだと、ゴールが遠すぎて、達成感をなかなか感じられません。
人は「少しできた」「一歩進んだ」と感じるたびに、脳の中でやる気を支える物質が分泌され、次の行動につながりやすくなります。この小さな達成感を、毎日コンスタントに感じられるようにするのが「小さな目標」です。
つまり、勉強が続かないときは、自分の性格のせいではなく「ゴールのサイズが大きすぎるだけ」ということが多いのです。ここからは、1日単位・1週間単位で、続けやすい小さな目標をどう作るかを具体的に見ていきます。
2. 1日単位での小さな目標の立て方
2-1. 「時間」ではなく「やること」で決める
まず、1日の目標は「2時間勉強する」のような時間だけで決めないことがポイントです。時間だけで決めると、何をしていいか分からずにダラダラしてしまい、「結局あまり進んでいない…」となりやすいからです。
おすすめは、「時間」と「やること」をセットで決める方法です。
例えば、次のように決めます。
・19:00〜19:30…数学ワークのP32〜35を解く
・19:30〜20:00…英単語帳を30語チェック(覚え直しも含む)
・20:00〜20:15…今日やったところを見直し・チェック
このように、「何時から」「何を」「どこまで」という3つを決めておくと、机に座ったときに迷いがなくなり、勉強に入りやすくなります。人の集中力は、始めるまでに迷う時間が短いほど保ちやすいと言われています。スタートを軽くすることが、勉強の長続きにつながります。
2-2. 今日の勉強を3つのタスクに分けてみる
1日の目標は、細かくしすぎても管理が大変になります。おすすめは、1日を「3つのタスク」に分けることです。3つ程度なら頭の中で把握しやすく、終わらせたときの達成感も感じやすいからです。
例として、テスト2週間前の中学生の1日を考えてみましょう。
・タスク1:数学…ワーク1周目の残り(P20〜25)
・タスク2:英語…教科書Lesson3の本文を音読+和訳チェック
・タスク3:理科…前回の小テストの解き直し
この3つが終われば「今日の勉強、やるべきことは終わった」と言えるラインになります。もし時間と体力に余裕があれば、「+おまけタスク」を1つ足すくらいのイメージで十分です。
ポイントは、「今日は何をしたら『やった』と言えるのか」を、朝か学校から帰ったタイミングで決めておくことです。そうすると、夜になったときに「今日もなんとなく過ごしてしまった…」というモヤモヤが減っていきます。
3. 1週間単位での目標の立て方
3-1. テストから逆算して1週間を分ける
1日の目標だけを考えていると、重要な範囲をやり残してしまうことがあります。そこで必要になるのが、1週間単位の目標です。これは「テストで困らないための安全ネット」のような役割を持ちます。
やり方はシンプルで、「テストで出る範囲を書き出す → それを1週間ぶんに分割する」という流れです。
例えば、数学のテスト範囲が「教科書P50〜95」「ワークP10〜45」だとします。このとき、いきなり全体を見ようとすると大変なので、次のように1週間でやることを決めます。
・月:ワークP10〜17
・火:ワークP18〜25
・水:ワークP26〜33
・木:ワークP34〜40
・金:ワークP41〜45+間違えた問題チェック
・土:教科書の例題を見直し
・日:模擬テスト形式で解いてみる
このように「曜日ごとにやるページ」を決めておくと、「今日はここまでやればOK」というラインがはっきりします。結果として、1日ごとの目標も立てやすくなり、テスト前に焦ることが減ります。
3-2. 予定が詰まっている日の考え方
部活の試合や塾、習いごとなどで、どうしても忙しい日があります。そういう日は、「ほぼ勉強できない日」としてあらかじめ計算に入れておくのがコツです。
例えば、金曜日は部活が遅くまであり、帰宅が21時になるとします。このとき、「金曜日は軽いタスクだけ」と決めておき、その分を他の日に回します。
・月〜木:通常より少し多めのページ数をこなす
・金:英単語10個チェック+ノートの整理だけ
・土日:まとめの問題を解く日にする
大事なのは、「毎日同じ量をやらなきゃ」と思い込まないことです。1週間全体でバランスが取れていれば、勉強はちゃんと前に進みます。忙しい日ほど「ゼロにしないための小さな一歩」を決めておくと、習慣が途切れにくくなります。
4. 「やった感」を残すチェックの仕方
4-1. チェックリストで脳にごほうびをあげる
小さな目標を立てたら、それを「やった」と確認する仕組みが必要です。この「チェックする」という行動自体が、達成感をはっきり感じさせ、やる気を支えてくれます。
おすすめは、紙でもアプリでもいいので「勉強チェックリスト」を作ることです。ノートの1ページを使って、次のように書きます。
[今日のタスク]
□ 数学ワークP20〜25
□ 英単語30語チェック
□ 理科 小テストの解き直し
勉強が終わるたびに、1つずつチェックを入れていきます。チェックマークをつけるとき、人の脳は「できた!」と強く認識します。目で見て分かる形で進み具合が残るので、「全然やっていない気がする」という不安が減っていきます。
慣れてきたら、「★よくできた」「△ちょっと微妙だった」など、自分なりの記号をつけてもOKです。後から見返したときに、自分の調子や苦手な単元が一目で分かるようになります。
4-2. 勉強ノートに「記録ページ」を作る
もう1つの方法は、勉強ノートの最初か最後に「記録ページ」を作るやり方です。1日ごとに、どの教科をどれくらいやったかを書き残していきます。
例えば、次のような表をつくります。
・日付:4/10
・勉強時間:合計90分
・内訳:数学30分(ワークP20〜25)、英語40分(単語+教科書音読)、理科20分(小テスト見直し)
・一言メモ:数学の文章題がまだ不安
これを毎日つけていくと、数週間後には「自分がどれだけ続けてきたか」がひと目で分かるようになります。人は、過去の努力が見えると「せっかくここまでやったんだから、今日も少しだけやっておこう」と思いやすくなります。
記録はきれいに書く必要はありません。むしろ、3分くらいでサッと書ける簡単さの方が続きます。「完璧な記録」よりも、「続いている記録」の方がずっと価値があります。
5. サボってしまった日から立て直すコツ
5-1. 「ゼロの日」をつくらないためのルール
どんなにがんばっている人でも、「今日は全然できなかった…」という日があります。そのときに大事なのは、「明日からまた完璧にやろう」と気合いを入れ直すことではなく、「ゼロの日を減らすルール」を持っておくことです。
たとえば、次のような自分ルールを決めておきます。
・どんなに疲れていても、英単語だけは3個見る
・寝る前に明日の「3つのタスク」だけはメモする
・テスト2週間前になったら、勉強ゼロの日は作らない
このようなルールを作っておくと、「今日はダメだったからもういいや」とあきらめてしまうのを防げます。たとえ5分でも「少しやった」という事実があれば、勉強の習慣は途切れません。
5-2. 小さな成功体験をためていこう
勉強が長続きする子は、「すごい集中力の持ち主」というよりも、「小さな成功体験をたくさん持っている子」であることが多いです。たとえば、「1週間、毎日タスクを3つこなせた」「テスト前にワークを1周できた」など、目に見える達成が積み重なっています。
この小さな成功体験は、自分の自信を支える土台になります。「自分はやればできる」という感覚が強くなると、新しい単元を始めるときの不安も小さくなります。
そのためにも、1日・1週間の目標は、「がんばれば届くくらいの高さ」にしておくことが重要です。いきなり完璧を目指さず、「昨日の自分より少し進めばOK」という感覚で続けていきましょう。
今日から、「1日のタスク3つ」「1週間のざっくり計画」「チェックリストか記録ページ」をセットで始めてみてください。数週間後、「あれ、前より勉強が続いているかも」と感じられるはずです。


