ノートの取り方で成績アップ!写すだけから「考えるノート」に変えるコツまとめ

大学受験

ノートの取り方で理解度はここまで変わる:良いノート・悪いノートの違い

1. なぜ「ノートの取り方」で理解度が変わるのか

1-1. 写すだけノートがあぶない理由

授業中、黒板をひたすら写しているだけで「ちゃんと勉強した気」になっていませんか。実は、ただ写すだけでは、頭の中ではあまり処理が行われておらず、理解も記憶も浅くなりやすいと言われています。

人の脳は、「見たものをそのまま写す」よりも、「意味を考える」「自分の言葉で言いかえる」「整理する」といった作業をしたときに、強く働きます。だから、同じ1ページのノートでも、「写しただけ」と「考えながら書いた」では、テスト前に読み返したときの理解度が大きく変わります。

写すだけノートは、一見まじめに見えて安心しますが、テスト前に開くと「どこが大事なのか」「何を覚えればいいのか」がわかりにくく、結局また参考書やプリントを見直すことになりがちです。これでは、ノートにかけた時間がもったいないですよね。

1-2. 「考えた跡」があるノートは何が違う?

良いノートには、必ず「考えた跡」が残っています。たとえば、重要なところに線を引いてあるだけでなく、「→つまり〇〇」「なぜ?」「ここはテストに出そう」など、未来の自分に向けたメモが書かれています。

また、先生の言葉をそのまま書くのではなく、自分の言葉に言いかえた一文や、自分で作った簡単な図、表、例題などが書き足されています。こうした「自分で加工した情報」は、長く記憶に残りやすいことが多くの研究からわかっています。

イメージとしては、「黒板のコピー」ではなく、「授業を自分の頭の中で整理した結果」がノートになっている感じです。ページを開いたときに、あなたがどこでつまずいたのか、何を大事だと思ったのかが、あとから見てもわかるノートが理想です。

2. 悪いノートのよくあるパターン

2-1. 黒い文字がみっちり…どこが大事かわからないノート

悪いノートの代表例は、「黒いボールペンだけで、上から下までびっしり埋まっているノート」です。見た目は頑張っているように見えますが、後から見返すと「全部同じ重要度」に見えてしまい、何から覚えればいいのかがわかりません。

こんなページを想像してみてください。余白はほとんどなく、行間もつめつめで、ところどころに小さい文字で追記が押し込まれているノート。テスト前に開いたとき、「読むだけで疲れるノート」になってしまいます。

大事なことがどこなのか、どんな流れで話が進んでいるのかが一目でわからないノートは、勉強するときに毎回「探す」作業が必要になり、そのぶん集中力も削られてしまいます。

2-2. カラフルだけど中身がない「映えノート」

もう一つありがちなのが、色ペンやマーカーをたくさん使った「映えノート」です。見た目はきれいで写真に撮りたくなりますが、よく見ると「飾りは多いのに、自分の考えやまとめがほとんど書かれていない」というパターンも少なくありません。

色を使うこと自体は、とても良い工夫です。ただし、「全部の言葉に色がついていて、逆にどこが大事かわからない」「カラフルなタイトルやイラストに時間をかけすぎて、内容がスカスカ」になってしまうと、本来の目的からずれてしまいます。

良いノートは、見る人を驚かせるためではなく、「自分が理解し、思い出しやすくするため」に存在します。色やイラストは、その目的を助けるための道具として使うのがおすすめです。

3. 良いノートに共通する3つのルール

3-1. 情報を整理する「段落・スペース・枠」を決める

良いノートには、「情報の置き場所」が決まっています。たとえば、ページを縦に2つに分けて、左側を「授業中に聞いたこと」、右側を「自分のまとめや疑問を書くスペース」にする方法があります。

他にも、上の方に「今日のテーマ」、真ん中に「説明やポイント」、下の方に「自分のまとめ・次回までに覚えること」を書く、といったレイアウトを決めてしまうのも良い方法です。こうして枠を決めておくと、授業中でも迷わず書き込むことができます。

さらに、段落ごとに1行空ける、重要な定義の前後には必ずスペースをとる、といったルールを決めておくと、後から見返したときに「ここで話題が変わった」「ここが山場だ」というのがひと目でわかるようになります。

3-2. 自分の言葉でまとめる・例を書く

理解を深めるために特に効果的なのが、「自分の言葉で書き直す」ことです。先生の説明を短くまとめた一文や、教科書の文章をかみくだいたメモを書いてみましょう。

たとえば、歴史の授業で「鎌倉幕府のしくみ」が出てきたら、黒板に書かれた用語を写すだけでなく、その下に「→簡単に言うと、武士のリーダーが政治をするようになった」というような自分なりのまとめを添えます。

数学なら、公式の下に「どんなときに使う公式か」を一行で書いたり、自分で作った簡単な例題と解き方を書いておくと、テスト前に見たときの理解度がまったく違ってきます。

3-3. 後で見返すことを前提に「未来の自分へのメモ」を残す

良いノートは、「書き終わったら終了」ではありません。むしろ、テスト前や宿題をするときに一番役立つように、未来の自分にメッセージを残しておくことが大切です。

たとえば、「ここがわかりにくい」「もう一度解き直す」「この単語は毎回忘れる」など、自分の弱点を書き込んでおきます。テスト前にノートを開いたとき、そのメモが「ここを重点的に復習しよう」という道しるべになってくれます。

ページの端に小さく「★テストに出そう」「?要復習」とマークをつけておくのもおすすめです。こうした工夫があるノートは、ただの記録ではなく、自分専用の参考書に近い存在になります。

4. 教科別・おすすめノートの取り方イメージ

4-1. 数学:途中式と「なぜ?」を書くノート

数学のノートは、答えだけではなく「途中式」と「考え方」を残すことがとても大切です。正解を書いて終わりではなく、「どうしてその式になったのか」「どの公式を使ったのか」が後からわかるようにしておきましょう。

イメージとしては、1つの問題について、左側に問題文と図、真ん中に途中式、右側に「なぜこの式を使ったのか」「ここでつまずきやすいポイント」をメモしておく感じです。

間違えた問題も、消してしまわず、「×」をつけたうえで、すぐ下に正しい解き方を書き、その横に「どこで間違えたのか」を一言で書いておくと、同じミスをくり返しにくくなります。

4-2. 英語・国語:キーワードと矢印でつなぐノート

英語や国語では、長い文章を丸ごと写すよりも、「キーワード」を抜き出して関係を矢印でつなぐノートが効果的です。

英語の授業なら、文法のポイントごとに例文を書き、その下に「この文で大事な単語」や「文の形」をメモします。たとえば、「現在完了形」のノートなら、「経験」「継続」「完了」といったキーワードを丸で囲み、例文に矢印でつなぐ、というイメージです。

国語の読解では、文章の構造をノート上で「図」にしてしまう方法もおすすめです。登場人物や筆者の主張、理由、具体例などを四角で囲み、矢印でつなぐと、「何がどう関係しているのか」が一目でわかるようになります。

4-3. 理科・社会:図・表・年表を活かすノート

理科や社会では、「図」「表」「年表」を上手に使うことで、記憶に残りやすくなります。

理科なら、実験のようすを簡単なイラストで描いたり、変化の様子を表やグラフにしてみると、文字だけのノートよりも理解しやすくなります。たとえば、「光合成」の単元なら、葉っぱの絵に「二酸化炭素」「水」「酸素」などの矢印を書き込むイメージです。

社会では、出来事を年表にしてまとめるのが効果的です。ページの中央に時間の流れの線を引き、重要な出来事を上に、関連する人物やキーワードを下に書き込むと、テスト前に流れを思い出しやすくなります。

5. テスト前に差がつくノートの使い方

5-1. 見返すタイミングで記憶が定着しやすくなる

どんなに良いノートを作っても、見返さなければ意味がありません。大事なのは、「いつ」「どのくらい」ノートを見返すかです。

おすすめは、「授業当日の夜に5〜10分だけ見返す」「テスト1週間前から、関連するページを毎日少しずつ見る」というリズムです。時間をあけて何度か思い出そうとすることで、記憶は長持ちしやすくなります。

このとき、ただ読むだけでなく、「ノートを閉じて、思い出せるかをチェックする」「重要語を手で隠して自分で言ってみる」など、少しだけ頭を使う工夫を加えると、さらに効果的です。

5-2. ノートを問題集に変えるちょっとした工夫

ノートは、「見るためのもの」から「解くためのもの」に変えることもできます。ページの端に小さな問題を書いておいたり、重要な語句の一部をわざと空欄にしておくと、そのページ自体がミニ問題集になります。

たとえば、社会のノートで「鎌倉幕府ができた年」を、「1192 → __」と空欄にしておき、テスト前にそこを自分で埋める練習をする、という使い方です。数学なら、例題の答えを付箋で隠し、途中式から自分で解き直すのも良い練習になります。

こうしてノートを「受け身で読むもの」から「自分から挑戦するもの」に変えていくと、同じノートでも得られる学習効果がぐっと高まります。

6. 今日からできる小さな一歩

6-1. まずは「ここだけ」は変えてみよう

いきなり完璧なノートを作ろうとすると、続かなくなってしまいます。まずは、「授業中、1ページにつき1つは自分の言葉でまとめを書く」「毎回1つだけ、自分の例や図を足してみる」など、小さな目標から始めてみましょう。

たとえば、次の授業から、「ページの右下には今日の授業を一言でまとめるスペースを作る」と決めてしまうのも良い方法です。続けるうちに、自分のノートが少しずつ「写すだけノート」から「考えた跡の残るノート」に変わっていくはずです。

6-2. 自分に合ったノートスタイルを育てていく

最後に大事なのは、「正解のノート」は一つではない、ということです。友だちのノートやSNSで見かけるノートを参考にするのは良いことですが、そのままマネするだけでは、自分には合わない場合もあります。

いろいろ試しながら、「自分は図を描いた方が覚えやすい」「色は2〜3色の方が見やすい」「ページを3つに分けると整理しやすい」など、自分なりのスタイルを少しずつ育てていきましょう。

ノートは、あなたの勉強を支える心強い相棒です。写すだけで終わらせず、「考えた跡」がたくさん残るノートを、一緒に育てていきましょう。

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