「ゲーミフィケーション」ってなに?
最近よく聞くようになった「ゲーミフィケーション」。
一言でいうと、
ゲームのしくみを、勉強や仕事・日常生活に応用して、やる気をアップさせる方法
のことです。
たとえば、こんなゲームの特徴を思い出してみてください。
- 経験値がたまってレベルアップする
- クエスト(ミッション)をクリアするとごほうびがもらえる
- 自分の成長が、数字やゲージで見える
- ストーリーがあって、つい続きが気になる
これらをそのまま勉強や生活に持ち込んでしまおうという考え方が、
ゲーミフィケーションです。
なぜゲーミフィケーションは「やる気アップ」に効くの?
① 「小さな達成感」が何度も手に入る
ゲームでは、敵を1体倒すだけでも「+10EXP」「クエスト1つクリア」など、
細かく「できた!」が用意されていますよね。
人間の脳は、この「小さな達成感」があると、ドーパミンという
やる気ホルモンが出て、「もう少しやってみようかな」と感じやすくなります。
勉強でも同じで、「1ページ終わった」「単語10個覚えた」などの達成をこまかく区切ると、
モチベーションが続きやすくなります。
② 成長が「見える化」されるから
ゲームのステータス画面では、自分のレベルやHP・攻撃力などが一目でわかります。
あれは、自分の成長が目で見てわかる仕組みですよね。
勉強も同じで、「グラフ」「チェックリスト」「レベル表」などで
今の自分の位置が見えると、
- 前よりちょっと成長してる!
- このまま続けたら、志望校に届きそう!
と実感しやすくなります。
③ 「ゲームっぽさ」でハードルが下がる
「勉強しなきゃ…」と言われると、なんとなく重たい気持ちになりますが、
「今日はミッションを3つクリアしよう!」と言いかえると、
少し気がラクになったりしませんか?
ゲーミフィケーションは、
「やらされている勉強」→「自分が遊び感覚で挑戦している勉強」
に変えるための工夫でもあります。
ゲーミフィケーションの「よくある要素」
ゲームっぽくするために、よく使われる要素をいくつか紹介します。
① ポイント(経験値)
- 英単語10個覚えたら「10ポイント」
- ワーク1ページ終わらせたら「5ポイント」
- テストで目標点を超えたら「50ポイント」
といった感じで、
行動にポイントをつける方法です。
ポイントが増えるほど、「レベルアップ」「ごほうび」などにつながるようにしておくと、
続けやすくなります。
② レベル・ランク
ポイントがたまっていくと、
- Lv.1「ビギナー」
- Lv.5「チャレンジャー」
- Lv.10「マスター」
といったランクアップができるようにしておくと、
自分の成長がわかりやすく、うれしくなります。
③ バッジ・称号
- 「英単語100個連続で覚えたで賞」
- 「1週間連続で勉強できたで賞」
- 「テストで自己ベスト更新バッジ」
などのバッジや称号をつけると、コレクション感覚で続けやすくなります。
④ クエスト(ミッション)
「今日やること」を、ゲームのクエストのようにしておきます。
- メインクエスト:数学ワーク2ページ+英単語20個
- サブクエスト:漢字ドリル1ページ、部屋の片づけ10分
全部達成したらごほうびがあると、楽しみながら取り組めます。
⑤ フィードバック(結果がすぐわかる)
ゲームでは、攻撃したらすぐダメージが表示されるように、
結果が早く返ってきますよね。
勉強でも、解いたらすぐ丸つけをするなど、
結果がすぐわかるようにしておくと、次の行動につながります。
中学生でも今すぐできる!ゲーミフィケーション実践アイデア
① 勉強を「経験値集めゲーム」にする
自分の勉強をRPG風にしてしまうアイデアです。
STEP1:経験値表を作る
- 英単語10個 → 10EXP
- 教科書1ページ音読 → 5EXP
- ワーク1ページ → 8EXP
- テストのやり直し1枚 → 15EXP
STEP2:1日の目標EXPを決める
- 平日:30〜50EXP
- 休日:70〜100EXP
など、自分にちょうどいい数字を決めておきます。
達成したらチェックマークをつけるだけでも、かなりやる気が変わります。
STEP3:レベルアップの条件を決める
- 合計100EXPたまったら Lv.2
- 合計300EXPたまったら Lv.3
- 合計600EXPたまったら Lv.4 …
といった感じで、ノートや紙にレベル表を書いておくと、ゲーム感が出てきます。
STEP4:レベルアップごとのごほうび
- Lv.2:好きなアニメ1話ぶんを堂々と見る時間
- Lv.3:ちょっといいお菓子
- Lv.5:欲しかった文房具 など
勉強の邪魔になりすぎないごほうびを、小さく設定しておくのがポイントです。
② テスト勉強を「ボス戦」化する
定期テストや模試を「ボス戦」だと考えて準備してみましょう。
テスト前2週間を「ダンジョン攻略」に見立てる
- Day1〜3:教科書・ノートの読み直し → 敵の情報を集める期間
- Day4〜7:ワークをとにかく1周 → 雑魚戦でレベル上げ
- Day8〜11:間違えた問題だけを集中特訓 → 弱点つぶし
- Day12〜14:予想問題・過去問にチャレンジ → ボスの練習戦
このスケジュールをクエスト表にして、
クリアした日にはチェックを入れていくと、ゲームっぽく進められます。
③ 習慣化アプリやカレンダーで「連続記録ゲーム」
スマホの習慣アプリや、普通のカレンダーでもOKなので、
「今日勉強したら×印」「30分以上できたら☆」などのルールを決めます。
- 連続3日達成 → 小さなごほうび
- 連続7日達成 → バッジ(自分で名前をつける)
- 連続30日達成 → 特別ごほうび
ゲームでもログインボーナスや連続ログイン特典がありますよね。
あれと同じように、
「途切れさせたくない気持ち」を利用して勉強を続けることができます。
学校や塾で使えるゲーミフィケーションの例
① クラス全体で「協力プレイ」
クラス全員で1つのゲームをしているイメージで、勉強を進めていく方法です。
- 班ごとに「クラン」を作る
- 各クランに「今週のミッション」を設定(例:漢字テスト平均80点以上)
- クリアしたクランには教室の「ポイントボード」にシールを貼る
- 学期末にポイントの多いクランから順に「称号」をもらえる
「競争」だけでなく「協力」要素を入れると、
お互いに教え合う雰囲気も生まれやすくなります。
② 教科ごとの「カードコレクション」
先生や塾でよくあるアイデアですが、
- 英単語テストで満点なら「英単語マスターカード」
- 計算プリントを時間内にノーミスで終えたら「計算スピードスターカード」
- 読書感想文をがんばったら「読書マスターカード」
のように、条件をクリアするとカード(紙でもデジタルでもOK)がもらえる仕組みです。
集めたカードの枚数や種類を見える化しておくと、
モチベーションアップにつながります。何かやりたいなら相談してもらえたら喜んでやりますよ。
気をつけたいポイント(やりすぎ注意!)
① ごほうびがメインになりすぎない
ゲーミフィケーションは「勉強を始めるきっかけ」を作るのにとても役立ちますが、
- ごほうびがないと全くやらない
- ごほうびのためだけに、適当にやる
という状態になってしまうと、本末転倒です。
ごほうびはあくまで「おまけ」にして、
「自分の成長」そのものを楽しめるようになるとベストです。
② 人と比べすぎない
ポイントやレベルを使うと、どうしても「友だちと比べてしまう」ことがあります。
でも、本当に大事なのは
「昨日の自分より、今日の自分がちょっと進んでいるか」
ということです。
ゲームでも、プレイスタイルは人それぞれですよね。
マイペースで経験値をためるRPGだと思って、
自分なりの成長を楽しんでいきましょう。
まとめ:勉強も生活も「ゲーム化」して、楽しくレベルアップしよう
- ゲーミフィケーション=ゲームのしくみを勉強・生活に応用する考え方
- 小さな達成感・見える化・ストーリー性で、やる気を続けやすくする
- ポイント・レベル・バッジ・クエストなどの要素を取り入れるとゲームっぽくなる
- 勉強を経験値集め、テスト勉強をボス戦、習慣を連続記録ゲームにしてみよう
- ごほうびのやりすぎや、人との比較には注意して、「自分の成長」を楽しむのが大事
「勉強=つらいもの」というイメージを、
「勉強=自分をレベルアップできるゲーム」に変えられたら、毎日が少しラクになります。
今日から、なにか1つだけでも、自分の生活にゲーミフィケーションを取り入れてみてくださいね。


