中学三年生におすすめの国語の勉強法
中学三年生にとって国語は、受験に直結する大切な科目です。
しかし「国語はセンスで決まる」「本をたくさん読んでいないと伸びない」と思われがちで、勉強の仕方が分からずに伸び悩む生徒さんも少なくありません。
実際には、国語も他の教科と同じように 正しい方法で学べば必ず力が伸びる教科 です。ここでは、心理学や教育学の研究にもとづいて、現代文・古文漢文・語彙・日常習慣ごとの効果的な勉強法を紹介します。
1. 読解問題の勉強法
設問から読む
読解では、本文を読む前に設問を確認することが有効です。教育心理学の研究によると、人間は 目的を持って読むと理解度が上がる(トップダウン処理) ことが分かっています。
段落ごとの要点把握
ワーキングメモリには限界があります。そのため本文全体を丸ごと覚えるのは非効率。
→ 「段落ごとに一言でまとめる」ことで、情報を整理し、理解を長期記憶に移しやすくなります。
根拠を取る習慣
正しい答えは必ず本文にあります。根拠となる表現に線を引く習慣 をつけると正答率が安定します。
これは「エビデンス・ベースド・リーディング」と呼ばれ、アメリカの読解教育でも推奨されている方法です。
2. 古文・漢文の勉強法
単語・助動詞の基礎
古文の理解には、語彙(古文単語)と文法(特に助動詞)が不可欠です。毎日10分の反復で処理速度が向上します。
音読の効果
音読を行うと「言語生成」と「言語理解」の両方が刺激され、黙読よりも記憶が強化されます。古文はリズムがあるため、音読が特に効果的です。
自分で訳すステップ
現代語訳をすぐ見るのではなく、まずは自力で訳す。これは「テスト効果(retrieval practice)」と呼ばれ、記憶の定着を助けます。
3. 漢字・語彙力の勉強法
漢字は「書ける」ことを重視
手を使って書くことで記憶が強固になります。読むだけでは不十分。必ず書いて覚えましょう。
間違えた漢字を翌日に再確認
忘却曲線の研究によると、翌日の復習が最も効果的です。
→ 「できなかったものを次の日にもう一度確認」が鉄則です。
語彙は文脈で覚える
単語だけでなく、文章ごと覚える方が記憶が定着しやすいです。新聞や問題文から学んだ言葉を例文ごと記録しましょう。
4. 日常でできる国語力アップ
読む習慣を短時間でも
1日15分の読書でも効果があります。短い評論やコラムで十分です。読み終えたら「要点を一言でまとめる」習慣をつけましょう。
書く習慣で記述力を高める
「毎日2〜3行の要約」でも効果的です。これは「アウトプット仮説」と呼ばれ、書くことで理解の穴に気づき、力が伸びます。
家庭でできるサポート
保護者の方は「今日はどんな文章を読んだの?」と声をかけてあげるだけで、言語化の習慣を助けられます。
まとめ
- 現代文 … 設問先読み・要点整理・根拠をとる習慣
- 古文・漢文 … 単語と助動詞の暗記+音読+自力での訳出
- 漢字・語彙 … 書く練習・翌日の復習・文脈での習得
- 日常習慣 … 短時間の読書+毎日のアウトプット
国語は「センス」ではなく「方法と継続」で必ず伸びる科目です。
今日から小さな一歩を踏み出してみましょう。
(おまけ)語彙を強化するためのおすすめの本
国語力を伸ばす上で欠かせないのが「語彙力」です。
語彙を豊かにすることで、読解問題の理解力や記述問題での表現力が大きく向上します。ここでは中学生にも取り組みやすいおすすめの本を紹介します。
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