「国語の勉強って、何をしたらいいか分かりにくい…」
数学や英語と違って、国語は「とりあえず問題を解いているだけ」になりやすい教科です。でも、中学三年生にとって国語は、すべての教科の土台になる力でもあります。
この記事では、
- 一般的な公立高校を目指す中3生
- 立命館宇治高校など、やや難度の高い高校を目指す中3生
の2パターンに分けて、国語の勉強方法を具体的にまとめます。ご家庭での声かけや、塾での学習の組み立てにも役立ててもらえたら嬉しいです。
中3の国語、まずは「ゴール」を決めよう
国語の勉強を始める前に、ざっくりとしたゴールを共有しておきましょう。
- 読解:文章の内容を正しくつかみ、記号問題で大きく失点しない
- 記述:問われたことに対して、必要な情報をもれなくまとめて書ける
- 知識:漢字・語句・文法・古文の基礎で、落とせる問題を落とさない
この3つが押さえられていると、どのレベルの高校を受けるにしても、国語で「大きく足を引っぱる」という状況は避けやすくなります。
どのレベルの高校でも共通する「国語の基本勉強法」
まずは、すべての中3生に共通する基本から。
1. 「解いておしまい」ではなく、解説を読み込む
国語は「問題を解く時間」よりも、解説を読む時間のほうが大事です。
- なぜその選択肢が正解なのか
- なぜ他の選択肢はダメなのか
- 本文のどの部分が根拠になっているのか
を、本文に線を引きながら確認していきます。
「なんとなく分かった気がする」ではなく、言葉で説明できるまで確認するのがポイントです。
2. 音読で「文章の筋」をつかむ
特に説明的文章や論説文では、
- 筆者が何について話しているのか
- 話題がどこで切り替わっているのか
をつかむ必要があります。音読しながら段落ごとに「要するにこういう話」と一言メモを入れる練習をすると、読解の土台がしっかりしてきます。
3. 漢字・語句・文法・古文の「取りこぼし」を減らす
知識系は、意識して取りに行けば確実に点数になるゾーンです。
- 漢字・語句:教科書ワーク+市販の一問一答を毎日少しずつ
- 文法:品詞・文節・敬語など、苦手なところを短いプリントでくり返し
- 古文:基本的な助動詞・助詞と、よく出る古文単語を押さえる
国語が苦手な子ほど、まずはここで得点の土台を作ると、読解の失敗をカバーしやすくなります。
一般的な公立高校を目指す中3生の国語勉強法
ゴールのイメージ
- 説明文・小説文・古文で、大問ごとに6〜7割を安定して取る
- 40字前後の短め記述なら、形を覚えて書ける
- 漢字・語句・文法など知識系で、ほぼ落とさない
1. 教科書ワーク+府県別の過去問で「型」を覚える
まずは、学校の教科書準拠ワークや塾のテキストで、基礎的な問題の解き方の「型」を身につけることが重要です。
ある程度できるようになってきたら、志望府県の公立入試の過去問を解き始めます。
- 最初は時間を気にせず、じっくり解説を読み込む
- 問題ごとに「これはどんなタイプの問いか」をメモしていく
こうすることで、「指示語」「接続語」「心情」「要約」など、よく出るパターンが見えてきます。
2. 記述は「抜き出し+言いかえ」の型で
公立高校レベルの記述は、
- 本文の必要な部分を見つける
- 指示語や言い回しを、聞かれている形に合わせて少し言いかえる
という組み立てが多いです。
普段から、
- 「この記述は、本文のどの部分を使っているか」
- 「どこをどう言いかえているか」
をチェックし、マネするところからスタートしましょう。
3. 1週間の勉強イメージ(公立志望)
- 週2日:読解問題(ワーク or 過去問)+解説読み・本文チェック
- 週3〜4日:漢字・語句・古文単語を10〜15問ずつ
- 週1日:文法の小テスト・短い記述練習
1日あたり30〜40分でも、毎週コンスタントに続けることで、じわじわと力がついていきます。
立命館宇治高校など、難度の高い高校を目指す中3生の国語勉強法
ゴールのイメージ
- 文章量が多くても、時間内に読み切れる
- やや長め(60〜80字)の記述でも、自分の言葉で論理的に書ける
- 語彙・背景知識があり、抽象的なテーマも抵抗なく読める
1. 読解量そのものを増やす
難度の高い学校では、
- 抽象度の高い論説(言語・社会・哲学系など)
- 心情の揺れが細かく描かれる小説
が出題されやすくなります。
市販の「ハイレベル国語」「難関高校対策」系の問題集や、志望校レベルに合わせた過去問を使って、文章量に慣れることが重要です。
2. 要約・自分の言葉で説明する練習
難しめの高校では、
- 「本文の考えを自分の言葉でまとめなさい」
- 「本文の考えに対する自分の意見を書きなさい」
といった問題が増えます。
普段の勉強から、
- 段落ごとに「一文要約」をノートに書く
- 本文の主張を、30〜50字でまとめてみる
など、「自分で文章を組み立てる」練習を取り入れておくと、入試本番で大きな差になります。
3. 語彙・背景知識の底上げ
抽象的なテーマを読み解くには、語彙力と背景知識も欠かせません。
- 評論文キーワード集(「抽象」「相対」「多様性」など)
- 時事・社会問題を扱ったコラムや解説記事
を、週に1〜2本読むだけでも、「何を言っているのか分からない」という状態が減っていきます。
4. 過去問の使い方(難関校志望)
- 最初の数年分は、時間をかけてじっくり解説を読み込む
- 慣れてきたら、実際の試験時間を測って解く
- 解き終わったあとに、「どの設問で時間を使いすぎたか」もチェック
「とりあえず全部解いた」で終わらせず、毎回テーマと反省を一つずつメモすると、1年分・2年分と進めるうちに、はっきりした成長が見えてきます。
保護者の方にお願いしたい「国語のサポート」
1. 「何点だった?」より「どんな文章だった?」
テスト返却の日は、
- 「何点だった?」だけでなく
- 「どんな話の文章が出たの?」
- 「どの問題が一番むずかしかった?」
と聞いてみてください。
子ども自身が文章の内容や、自分のつまずきを言葉にすることが、そのまま「国語の勉強」になります。
2. 「短く説明してみて?」と促す
- 「今日読んだ話を、一言でいうとどんな話?」
- 「筆者は、結局なにが言いたいと思う?」
といった問いかけは、要約力や論理的思考のトレーニングになります。
長い説明でなくて構いません。一言でまとめることを目標にすると、子どもも取り組みやすくなります。
まとめ:国語は「センス」ではなく、積み上げで変えられる教科
- 国語は、「解いておしまい」ではなく解説の読み込みと振り返りが大切
- 漢字・語句・文法・古文などの知識系は、毎日の少しずつの積み上げで確実に点になる
- 公立高校志望なら「取りこぼしを減らす国語」、難関校志望なら「読解量と記述・要約力を高める国語」を意識する
国語は「センスの教科」と言われがちですが、実際には、正しいやり方で続ければしっかり伸びる教科です。
「うちの子の今の力だと、どこから手をつけるのが良さそう?」というご相談があれば、現在の成績や志望校をふまえて、具体的な勉強プランをご提案します。お気軽にご相談ください。
(おまけ)語彙を強化するためのおすすめの本
国語力を伸ばす上で欠かせないのが「語彙力」です。
語彙を豊かにすることで、読解問題の理解力や記述問題での表現力が大きく向上します。ここでは中学生にも取り組みやすいおすすめの本を紹介します。
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