【部活と勉強、両立できる?】運動系部活動が学習に与える影響とバランスの取り方

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【部活と勉強の両立法】運動部でも成績は上がる!その秘訣とは?

1. 運動部でも成績は上がる?まず知っておきたい現実

1-1. 忙しい運動部だからこそ「伸びる」可能性がある

「運動部に入ったら勉強がおろそかになるのでは?」という不安は、多くの保護者や中高生が感じているものです。夕方まで練習、土日は試合や遠征となると、「勉強する時間なんてない」と思えてしまいますよね。

ただ、実際には「運動部で毎日ヘトヘトだけど、成績も良い」という生徒は少なくありません。よくよく話を聞いてみると、特別な才能があるわけではなく、

  • 時間の使い方が上手い
  • 疲れていてもできる勉強を知っている
  • 生活リズムと環境を整えている

といった工夫をしていることが分かります。体を動かすことでストレスが減り、集中力が高まりやすくなるという報告もあり、運動が勉強にプラスに働く面もあります。

つまり、「運動部=勉強ができない」ではなく、「忙しいスケジュールの中でどう両立するか」を知っているかどうかが、大きな分かれ道になります。

1-2. 両立できる子と疲れ切ってしまう子の違い

同じ運動部でも、成績がぐんぐん伸びる子と、いつも眠そうで宿題に追われている子がいます。この違いは、意外なほどシンプルです。

  • 両立できる子:
    「いつ勉強するか」と「何をするか」が、ざっくりでも決まっている
  • 疲れ切ってしまう子:
    「時間があったらやる」「気が向いたらやる」になっている

前者は、練習前後や通学時間、寝る前などの「すき間時間」に、小さな勉強を積み重ねています。一方で後者は、なんとなくスマホや動画を見ているうちに夜が遅くなり、「今日は無理」とあきらめてしまいがちです。

この記事では、運動部でも成績を上げていくための「3つの秘訣」を、保護者と中高生が一緒に取り組める形で整理していきます。

2. 秘訣その1:時間ではなく「勉強のリズム」をつくる

2-1. 「毎日15分×3回」のすき間勉強術

部活のある日は、まとまった2時間を確保するのは難しいかもしれません。でも、

  • 朝起きてから学校へ行くまでの10〜15分
  • 部活から帰ってきてご飯までの10〜15分
  • 寝る前の10〜15分

この3つを足すと、30〜45分になります。これを「毎日の基本セット」としてしまうイメージです。

脳の仕組みとしても、短い時間の勉強を何回もくり返した方が、記憶が定着しやすいことが知られています。つまり、「たまに2時間」より「毎日15分×3回」の方が、運動部にはむしろ向いている勉強法です。

おすすめの使い方は、次のような形です。

  • 朝:漢字・英単語など、暗記系をサッと確認
  • 帰宅後:その日の授業ノートをざっと見直す
  • 寝る前:テストが近い教科のワークや小テストの復習

「たった15分」と思うかもしれませんが、1週間で考えると45分×7=315分、つまり5時間以上になります。これが積み重なると、テスト前の余裕が大きく変わってきます。

2-2. テスト前に慌てないための1週間の組み立て方

運動部のスケジュールは、曜日によって忙しさが違うことが多いですよね。そこで、1週間の中で「重い勉強をする日」と「軽く流す日」をあらかじめ決めておくと、ぐっと楽になります。

例えば、次のようなイメージです。

  • 月・水・金:練習がハード → すき間時間の15分勉強+軽い復習だけ
  • 火・木:練習が比較的ラク → 少し長めに60〜90分、苦手教科の問題演習
  • 日曜:午前は休養、午後に1週間の復習とテスト対策

ポイントは、「毎日完璧にやろう」と思わないことです。あらかじめ「この日は軽めでOK」と決めておくことで、「できなかった自分」を責める気持ちが減り、続けやすくなります。

保護者の方は、部活の予定表とテスト日程を見ながら、

  • 「どの日に少し長めの勉強時間を取れそう?」
  • 「すごく疲れる日は、これだけできていればOKというラインを決めようか」

といった会話をしてあげると、子ども一人では立てにくい「現実的な計画」を一緒に作ることができます。

3. 秘訣その2:疲れていてもできる「省エネ勉強法」

3-1. 体力をあまり使わない科目・作業を決めておく

運動部の子にとって、いちばんの敵は「疲れ」です。ヘトヘトの状態で難しい応用問題に挑んでも、なかなか頭が動きません。そこで大事になるのが、「疲れていてもできる勉強」を持っておくことです。

おすすめは、勉強を3つに分けて考えることです。

  • ①じっくり考える勉強:数学の応用、英作文、記述問題など
  • ②ほどほどに頭を使う勉強:基本問題の演習、教科書の例題など
  • ③あまり体力を使わない勉強:単語・用語暗記、ワークの解き直し、ノート整理など

部活のない日や、比較的元気な時間帯には①や②、練習でクタクタの日や夜遅い時間帯には③を中心にする、といった切り替えができると、「今日は何もできなかった…」という日がグッと減ります。

中高生の皆さんは、ノートの片隅やスマホのメモに「疲れていてもできる勉強リスト」を作っておくと便利です。

3-2. 通学・お風呂・寝る前の「ながら暗記」を味方に

暗記が中心の勉強は、「ながら」でやりやすいのが強みです。もちろん、スマホをいじりながらなどの「ながら」は集中が途切れやすいですが、単語帳を見たり、頭の中で思い出したりする程度ならむしろ効果的です。

例えばこんな工夫ができます。

  • 電車・バスの中:英単語帳・社会の一問一答を5分だけ見る
  • お風呂の前後:洗面所に英単語や歴史年表のプリントを貼っておく
  • 寝る前:ベッドの中で、その日覚えたことを3つ思い出す

寝る前に覚えたことは、睡眠中に記憶として整理されやすいと考えられています。疲れていても、「見るだけ」「思い出すだけ」ならハードルは高くありません。

「机に座って、がっつり勉強しないと意味がない」と考えてしまうと、両立はどんどん苦しくなります。「小さな暗記も立派な勉強」と認めることが、運動部の両立にはとても大切です。

4. 秘訣その3:睡眠・スマホ・食事を整える

4-1. 睡眠は「最強の勉強時間」になる

部活と勉強を両立しようとして、つい削りがちなのが睡眠時間です。「寝る時間を削れば勉強時間が増える」と思いがちですが、睡眠が足りないと、

  • 授業中にぼーっとしてしまい、内容が頭に入らない
  • イライラしやすくなり、やる気が出ない
  • 練習でケガをしやすくなる

といったマイナスが増えてしまいます。記憶は寝ている間に整理されるので、睡眠は「勉強の一部」と考えた方がむしろ合理的です。

理想は、毎日同じくらいの時間に寝て、同じくらいの時間に起きることです。どうしても夜遅くなる日がある場合は、

  • 別の日に30分〜1時間早めに寝る
  • 帰宅後すぐの「10〜15分だけ昼寝」を取り入れる

など、体を回復させる時間を意識的に取るようにすると、練習の質も勉強の集中力も上がりやすくなります。

4-2. スマホとの付き合い方とカンタン食事ルール

運動部の両立で意外と大きな影響を持つのが、スマホと食事です。

スマホについて

  • 勉強中は別の部屋か、家族に預ける
  • どうしても近くに置く場合は、通知をオフにしてタイマーだけ使う
  • 寝る30分〜1時間前からはスマホを見ない(睡眠の質を下げないため)

「勉強中はスマホ封印」は、最初はつらいかもしれませんが、慣れると「スマホを触らないのが普通」になってきます。保護者も、自分のスマホの使い方を少し意識すると、子どもも安心して取り組みやすくなります。

食事について

  • 朝食を抜かない(エネルギー不足だと授業も部活もきつくなる)
  • お菓子だけでお腹を満たさず、ご飯+肉や魚+野菜を基本にする
  • 部活前後はこまめに水分補給をする

完璧な食事を毎回用意する必要はありませんが、「朝ごはんをきちんと食べる」「甘いジュースやお菓子だけで済まさない」といったシンプルなルールだけでも、体力と集中力の持ちが変わります。

5. 保護者にできるサポートと声かけ

5-1. 「がんばりを評価する」スタンスを持つ

部活と勉強の両立で重要なのは、保護者のスタンスです。プレッシャーをかけるだけでは、子どもは「怒られないためにやる」モードになり、長続きしません。

おすすめしたいのは、次のような声かけです。

  • 「毎日、部活のあとに15分でも机に向かっているのがすごいね」
  • 「テスト前だけじゃなくて、普段からワークを進めているの、ちゃんと見てるよ」
  • 「今日は疲れているよね。それでもどこまでやれそう?」

点数そのものより、「どんな工夫をしているか」「どんな行動をしているか」に目を向けると、子どもは「自分のがんばりを分かってくれている」と感じやすくなります。

また、「成績のために部活をやめさせる」かどうか悩む場面もあるかもしれません。そのときは、

  • 子どもが部活で得ているもの(仲間、達成感、自信など)
  • 志望校や将来のイメージ
  • 両立のためにできる工夫

を一緒に整理し、「やめる・続ける」の二択だけでなく、「やり方を変える」という第三の選択肢も含めて話し合えると良いでしょう。

5-2. スケジュールづくりと家の環境を一緒に整える

運動部の子が自分一人で完璧なスケジュール管理をするのは難しいものです。そこで、保護者が「コーチ」のような立場で関わると、両立はぐっと現実的になります。

例えば、

  • 部活の予定表とテスト日程を壁に貼り、一緒にざっくりと週の計画を立てる
  • 「勉強タイム」の時間帯は、家全体もできるだけ静かにする
  • リビングに勉強用のスペースを作り、スマホは別の場所に置くルールにする

といった環境づくりは、子ども一人ではなかなかできません。家庭全体で「勉強しやすい空気」を作っていくことが、運動部の両立を支える大きな力になります。

6. 今日から始める一歩:3つだけ決めてみよう

6-1. 中高生が決める「自分ルール」

ここまでいろいろなポイントをお伝えしてきましたが、いきなり全部やろうとすると続きません。まずは「3つだけ」自分ルールを決めてみましょう。

例えば、次のようなルールです。

  • 毎日「この時間から15分」は必ず机に向かう
  • 通学時間に、英単語帳か一問一答を必ず開く
  • 勉強中はスマホを別の部屋に置き、タイマーだけ使う

大事なのは、「頑張ればできる」ではなく、「多少疲れていてもなんとかできる」レベルに設定することです。1〜2週間続けられたら、自信を持っていい立派な変化です。

6-2. 親子で話しておきたいこと

最後に、保護者と中高生でぜひ一度ゆっくり話してほしいポイントを挙げておきます。

  • 今の部活で、どんなところが楽しいか・つらいか
  • 勉強で困っていること、助けてほしいこと
  • 「このくらいの成績になっていると安心できる」という目安
  • そのために、部活と勉強のバランスをどう取りたいか

両立の秘訣は、「完璧にこなすこと」ではありません。限られた時間と体力の中で、何を大切にし、どこを工夫するかを親子で一緒に考えていくことです。

運動部でも、成績は十分に上げていけます。今日決めた小さなルールを、まずは1週間続けてみる。そこから、あなたなりの「部活と勉強の両立スタイル」を少しずつ育てていってください。

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